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第13話 奈落

硬いそれはかまわずおれの中に入ってくる。 指で慣らされたとはいえ、指よりさらに太いそれに痛みが走った。 もがいて足もばたつかせたがすぐに上から押さえつけられて動けなくなる。 「流石にきついな……」 冬夜は少し顔を歪める。しかし、強引なその腰は止まらない。小刻みに入れたり出したりを繰り返して少しずつ奥に入って来る。 「っく……ほ、本当に、い、痛い……もう、止めて……」 必死になって言ったが、冬夜は聞いているのかいないのか分からないが、かまうことなく腰を進める。 「っ……もう少し」 「ああ!っく」 冬夜がさらに腰を推し進めると鋭い痛みが走った。痛みで涙が滲む。 しかし、一番太いカリの部分が入ったからか少し痛みはましになった。それでも限界まで広げられたそこは違和感と痛みで感覚がなくなってきた。 「もうちょっと慣らした方がいいか……」 冬夜は流石にこれ以上は無理だと思ったのか一度動きを止め、痛みで萎えていたおれの陰茎を握って扱き始める。 「っあ……む、無理ぃ……や、止めてっぅ……やだ……」 されていることが受け入れられずボロボロ涙が出てくる。冬夜はかまうことなく中心を扱きもう一度胸を愛撫し始めた。 「ん、少し柔らかくなってきたかな」 「ん……あ……っ」 冬夜は立ち上がった乳首を押しつぶすように舌を這わせてから、体を話す。 少し時間を置いたからなのか気持ちいいところを刺激されたからなのか、入れられたそこは少し力が抜けて痛みは少し和らいでいた。 「長引かせても何だし、次は一気に行くね」 冬夜はそう言うとおれの足を肩まで持ち上げ抱え直すと、勢いを付けてさらに腰を奥に押しこむ。 「え?ま、まって……っっ」 太いものがまた一気に中を侵食する感触がした。内臓が押されたような感覚がして一瞬息が止まった。 「っく……やっぱきつい……でも全部入ったよ」 「っあ……はっ……はっ」 冬夜は少し顔を歪めていたが嬉しそうにそう言った。おれは苦しいのを息を荒く吐きながらなんとかやり過ごす。 「すげぇ、中暖かくて気持ちいい……」 「はっ……も、もういい……だろ、抜いて……」 苦しくて必死に懇願する。 「何言ってんの。まだ入れたばっかりだよ。……それに伊織のここ離したくないって締め付けてる」 「う、嘘。そんなこと……っぐ」 冬夜はおれの足をベッドにつくようにさらに広げて折り曲げると、ずるりと腰をげ下げると一気にまた推し進める。 肌と肌がぶつかる音がした。腕を縛られ押さえつけられているおれには何も出来ない。 下の方を見ると浅黒くて太い物がおれの後孔に出たり入ったりしているのが目に入ってしまう。その太い物が出入りするたびにそこがめくれて赤いものが見える。 生々しくて思わず目を逸らすと、ギラギラした目の冬夜とかち合う。 冬夜は眉を顰め、興奮からなのか汗をかいている。獣みたいに舌で唇をペロリと舐めるとニヤリを笑った。 「伊織のここすげぇよな。絡みついてくるみたいに締め付けてくる……」 「本当……もう、やめ……っ……っ」 「あー無理、滅茶苦茶気持ちいい……止まんねぇ」 冬夜はそう言ってさらに動きを早める。中で冬夜の物が奥にガツガツ入ってくる感触がはっきり分かってしまう。 冬夜は擦れた声でそう言うとまた口をふさぐ、すぐに舌が入ってきて上も下も滅茶苦茶に掻きまわされる。 「んぐ……っ……ん……」 息をするのもやっとの状態がしばらく続いて、また頭がぼんやりしてきた。 「やばい……もうイキそう……」 気持ちよさそうに冬夜はそう呟くと一瞬動きを止め限界まで腰を引くと最奥まで腰を叩きつけ、中でなにか濡れたような感覚がした。 「っっあ……嘘……う……あ」 おれはこの状況に唖然するしかない。冬夜は何度か腰を動かして全て出し切る。 終わるとおれの上で脱力したようにのしかかる。 「はぁ……はぁ……最高……」 熱く汗ばんだ体の重みを感じる。冬夜のものか自分のものなのか分からない、ドクドクとした心臓の音がやけに大きく聞こえた。 「お、お願い……もう、抜いて……」 足の間の違和感が凄い。痛みもあるし圧迫感も凄い。 「え?何言ってんのまだこれからでしょ?ここもやっとなじんできたし……っ、ほら俺の出したもので中ぬるぬるになってる」 冬夜はそう言うと入れっぱなしになっているそれをゆるゆる動かす。動かすごとに濡れた音がして出したものが溢れてきた。 「も、もう終わっただろ……」 「伊織ちゃんがまだだろ、それに俺はまだまだ満足してないし……」 「お、おれはいいから、ほんとに……うっ……あっ……」 確かに冬夜のそれは出したばかりとは思えないくらい硬く勃っていた。 「本当気持ちいい。もっと早くこうしておけばよかった……」 うっとりしたように冬夜は言うと。ゆっくりとだが大きく腰を動かし始める。中に出したもののおかげか動きはスムーズになって痛みもなくなっていた。 それでも違和感や圧迫感はまだある。なによりこの状況になっていることが信じられない。 「も、もう無理。やだ……っあ!」 その時、中の物がある部分に当たると体が変に反応した。 「ここが伊織のいいところでしょ?さっきは夢中で上手く出来なかったけど次は気持よくしてあげるから」 「っあ……っあ……な、なんで……いいって……あ……」 俺は首を振って止めようとしたが冬夜はそこばかりをせめるように突いてくる。確かにそこは気持ちよくてさっきまで感じなかった快楽がジワリとそこから上がってくる。 「この姿勢やっぱりちょっとやりにくいな」 冬夜はそう言うと入れていた物を抜きくるりをおれの体をひっくり返し、四つん這いにさせた。とは言ってもおれは手を縛られているのでほとんど冬夜にお尻を突きだすような形になった。 「やだ……恥ずかし……無理……」 「こっちの眺めも最高。じゃあ入れるね」 「うあ……っああ!」 冬夜の言う通りこっちの方かいいところに当たりやすかったのか、入れた途端ビリビリとした快楽が走って背中が弓なりに反る。 「っ……すげ……入れた途端締め付けたよ。これ、二回目もすぐイキそう」 入れた途端冬夜はそう言ってすぐに激しく動き出す。 「っあ……っあ……っあ……や、やだ……やめ……」 「ああ、ごめんね。伊織ちゃんも気持よくなろうね」 そう言って冬夜はおれの陰茎を掴むと腰を動かしながらそれも扱きだす。痛みはもうなくなった。その代わりに次第に強くなる快楽に頭の中がぐちゃぐちゃになる。 「お尻に入れられて気持ちよくなるなんてもう、女の子と出来ないんじゃない?」 「っあ……そ、んなこと……感じて……っあ……なんて」 「嘘つけ。先走りもこんなトロトロ出してるし。何より俺のこと締め付けてもっとしてっていってる」 「ち、ちが……っあ……っあ……や……激し……」 冬夜が激しく動き出し、俺はまともに声を紡ぐことも出来ない。冬夜の扱く動きは腰の動きを連動していて入れられいるのか入れているのか分からなくて、頭が混乱する。 「そろそろ、イキそ……」 冬夜はそう言ってさらに動きを早める。 「あ、ああ……っ!」 親指で亀頭の部分を刺激されて限界が来る。びくびくと体を痙攣させながら熱を放出させた。 頭が真っ白になって、目の奥がチカチカする。 いつまでも続くんじゃないかと思うくらいの快楽がおわるとおれはぐったりとベッドに横向きに倒れる。 「気持よかっただろ?これでもう伊織ちゃんは完全に女の子だね」 冬夜は嬉しそうにそう言うとクシャリと頭を撫でる。 ずるりと冬夜の物が引き抜かれ冬夜が出したものが流れ出てくるのを感じて、本当に中でしたんだといまさらながら実感した。 おれが何も言えないでいると冬夜はおれの髪を掻きまわしながら言った。 「じゃあ、少し休憩したらもう一回ね」 「……え?まだ……本当……無理だから……」 「今俺はイってないし。伊織ちゃんのここ、俺のもっと欲しいって言ってる」 冬夜はそう言って指で中に入っているものをかき出す。 「そんなこと……言ってな……っあ」 さっきイッたばかりで敏感になっているのか指を入れられただけで体が跳ねる。 「本当、伊織ちゃんって感じやすい体してるよね。こんなエロい体でよく今ままで無事だったよね。あ、それとも俺の知らないところで男とヤリまくってたりしたの?」 「そ、そんなことしてな……っあ……」 酷い言いように涙がこぼれる。 「ふーん本当かな。まあ、いいや。こんどからこの穴は俺専用だから、他の人間に触らせんなよ」 冬夜は理不尽にそう言い放つと、なんの予告もなしにまた中に入ってきた。 「っっあ……あ」 指とは違うそれが入って来て敏感になった内壁が擦られる。 「今日は伊織ちゃんの体がどれだけエロいか証明するまでするから、覚悟してね」 「も、もうやだ……許して……」 しかし、冬夜はそんな言葉もかまわずまた激しく動きだした。 そうしてこの行為は何度もくりかえされ、何度も中に注ぎこまれて意識も朦朧としてきたところでやっと終わった。

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