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第26話
だーかーらー!!!!
ヒートの俺!!
何をやって…いや言ってくれてんだよ!!!
あぁああああああっ!!!
翌朝、俺は痛みで目が覚め、昨夜の自分の痴態を全て思い出して、悶え苦しんでいた。
ズキズキとあちこちが痛む。ヒートの俺が一にせがんであちこちに付けてもらった噛み跡…いや、噛むと言うよりも食い破ると言った方がいい。
しかももっともっと痛くしてぇと甘ったるい声でヒートの俺が一を煽った。
シーツに残る乾いた血。
「全の血を全て飲み干してしまおうか?」
「ひゅうへつきーーーー!!!」
「吸血鬼か?そうだ、俺は全の血だけを欲しがる吸血鬼だ。お前の血を全てくれるか?」
「ひいよ!ひちにあげるー!!」
「ハハハ…なぁ、全?」
「ひゃに?」
「お前はヒートの時の事、全て覚えているんだよな?」
「覚えてるよ!」
「そうか…ヒートから起きた全…頼むから俺の子を流すなんて悲しい事を言わないでくれ…俺はお前を幼い頃から特別な存在として見ていた。それを意識し出して一緒にいるのが辛くなってお前から離れた俺とは逆に、沢は急激にお前とくっつき出した。それを見ていても俺はどうしようもできなくて悔しくて辛くて…兄弟という事実に俺は何も出来ず、お前を無視する事で自分の気持ちを抑え込んでいた。」
「ひちぃ…だいひょうぶ?」
「あぁ…ありがとな。」
一の手が俺の頭を撫でる。
「お前が沢とそういう関係になった時、一瞬お前の事を諦めようと思った。しかしお前達が運命の番だと知り、沢がαだと言う事実からお前がΩだと分かった俺はこの気持ちを抑え込むことも我慢することも兄弟ということも全て投げ捨てることに決めた。お前がΩだと言うその事実を父さんは隠したがるだろう…俺はそれを利用したんだ。ごめんな、全。こんな俺がお前を愛して…こんな卑怯な手を使わなければお前を番とできなかった俺を許してくれ…それでもそうしてでも俺はお前と番となりたかった。運命の番なんてクソ喰らえだ!!いいか?俺が運命だ!!奇跡的なことが重なり、同じ場所で十月十日を過ごした俺達こそが運命だ!!」
「ひちぃ、俺たちが運命?」
「あぁ、俺達は運命の番じゃなくて運命だ!運命そのものなんだ!!」
「うん!ひちぃ、運命の俺をもっともっとひもちよくしてぇ!!ひたいのもっとひょーだい!」
「ああ!俺の運命!運命の俺達から生まれる子供を俺は見たい。全、俺の願いを叶えてくれ!」
「ひいよ!だから…」
「全!愛してる!!」
俺の中に一が入って、俺の全てを侵食していく。噛まれる痛みも愛しさと快感に変わり、俺は快楽の絶頂の中で愛に包まれて一に抱かれて果てた。
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