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第45話

熱い、熱い、体が熱くて…我慢できない。 一、一はどこ? 「ひちぃ!ひちぃ!」 「あぁ、ここにいるよ。全、どうした?」 一の手が俺の頭を撫で、唇を合わせる。 「触りたい!これ、ひゃだあ!取って!熱いよぉ!」 ガチャガチャと拘束された腕を揺らして、一に願うが一は悲しそうな顔でダメだと頭を横に振る。 何でだろう?俺はこんなに一が好きで、一だけ愛してて、だからこんな口や両手両足の拘束なんかしなくてもいいのに… 「ごめんな…全。俺があんな話をしなければ…俺、馬鹿だよな…お前が俺を許してくれてるって、あんな風に俺を愛してるって言ってくれていたのは、全部ヒートだからだったのに…まさか薬が切れていたなんて思わなくて…でも、同じだったな。薬が切れればヒートの時のことを思い出したお前はきっと今と同じように俺を憎み抗い、こうやってヒートの状態にしておくことでしかお前を生かさせることが出来なくなっていたんだろうし…俺がお前の心を壊してしまった。今更後悔も懺悔も何もしようがない。それにお前がもしヒートから抜け出た時にお前の命を守る為にはこうやって拘束しておくしかないんだ…ごめんな、全。」 「俺、ひちを憎んでなんかないよ。愛してて大好きで、もっとひっぱい愛して欲しい。なぁ、俺のこの熱いの何とかしてよ、ひちぃ!」 甘ったるい声で、一の手に頭を擦り付けてねだる俺にごめんなと言って一がベッドを降りて扉から出て行った。それと入れ替わるように沖が静かに一礼して入って来ると、微笑みながら近づいて来た。 「ひゃだあ!ひちぃ!ひゃだあぁああああ!」 沖の微笑みがまるで悪魔のようなそれに見え、俺は一の出て行った扉に向かって大声で助けを求めるように叫んだ。しかし、その叫びは沖の手によって塞がれ、目を見開いて恐怖に怯える俺の目の前に一のモノと同じような格好をした柔らかいものを取り出し、揺らした。 「全様、これは全様の体の熱を楽にさせる道具です。これをこちらに入れます…少々、苦しいとは思いますが我慢して下さいね。」 そう言ってローションを垂らしたその一の代わりのモノを俺の足を持ち上げて、いつもは一に愛される穴にゆっくりと押し込んでいく。 「くぅっ!苦しっ…よぉ!やだぁ!こんなのやだぁ!抜いてよ!抜いてぇえええええ!」 懸命に体内から出そうとするが、何かが引っかかって出すことが出来ない。しかも身体を揺すると微妙にいいところに当たり、抗う為に揺らしていた身体がいつの間にか気持ちの良いところにそれを当てようと腰をくねくねと揺らし出した。 「どうですか?と、聞くまでもないようですね。こんな痴態を見せられては、私ですらあなたを抱いてしまいたくなる…Ωとαとは本当に…いえ、何でもありません。しばらくはこちらでお身体の熱をお取り下さい…理性を保てている間に私も退出いたしますので、あとはよろしいように…それでは、失礼いたします。」 パタンと閉まった扉。残された俺はたった一人、体の奥から湧き上がってくる熱を取るためだけの行為に耽り続けた。

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