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第79話

合わさる唇。 沢の舌が俺の唇を舐め、俺は口を少し開ける。 その隙間をこじ開けるように沢の舌が入って来て、俺の舌を絡め取った。 「ん…ふぅ…んん…」 吐息と共に甘い声がこぼれ出て、部屋の空気も甘い色に変化していく。 足と足を擦り付ける俺のその間に沢の足が入り、ぐっと下半身に膝を押し付けてきた。 「んぁああっ!」 唇を離してのけぞる俺の首に舌を這わせ、膝でぐりぐりと下半身に刺激を与えながら、上着を脱がされ、露わになっていく肌の上を沢の舌が這い、歯で噛まれ、痕が付いていく。 「ひあぁっ!あぁっ!そこ…ぐりぐり…しな…いでぇ…あぁっ!」 腰が揺れ、背中が仰反る俺に、容赦なく沢の膝は刺激を与え続け、舌はとうとう臍にまで到達していた。 「この窪みに舌をこうやって…」 入れられた舌が中で蠢き、初めはただくすぐったかったそこは、沢の舌の刺激にゾワッとした寒気が走った。 「あ…ぁああっ!ヘン…それ…ヘンに…ひぁあああっ!」 「くすぐったいと思われるところは性感帯として開発できるようですよ。ですから、ここも…」 沢の手が俺の片足を持って、靴下を脱がせると指を舐め始めた。 「やだ…汚い…って…んんっ!ぁあっ!そんな…んっ!…っもちいいの…気持ち…いいっ!」 くすぐったさと気持ち良さに頭がおかしくなりそうで、助けてと沢の頭を掴んだ俺に、沢が微笑んで言った。 「まだまだ始まったばかりですよ?全様、もっと私で感じ、乱れて下さい。あなたが誰にも見せたことのない顔を私に見せて下さい。」 そう言うと、沢は俺の着ているものを全て脱がせ、舌で俺の震えて硬くなっている先端を舐めた。 そのまま舌が全体を這い、再び先端に到達すると突然温かさが広がり、ん?と思う間も無く、舌で刺激されながら沢の口に扱かれて、俺はそれだけでもう果てそうになっているのに、沢は指を背中に這わせ、すでに受け入れるための体液をこぼしている窄みに指を押し入れてきた。 「やぁぁああっ!そんな…いっぺんにしたら…やだぁ!もっ…ムリ!ムリぃいいいっ!」 足を引き攣らせ、腰をぐんと上げると、音が出そうなほどに勢いよく沢の口の中に体液を吐いた。 それを何の躊躇いもなくゴクゴクと飲んで、ふふっと沢が笑う。 「朝、出したばかりだと言うのに…たくさん出されて。そんなに気持ち良かったですか?」 そう言いながらも指は止めず、俺はイった後のくすぶりを煽られて我慢できずに沢に許しを乞うた。 「やめっ!許し…て…それ…止めて…っあーーーーーっ!」 「何を仰っているのですか?私は乱れて感じまくっている全様を見せて下さいと言いましたよね?そしてあなたはαの支配力を見せろとも言った…それならこれを止めるわけがないでしょう…っ!」 指の本数が増やされ、一気に当たる場所が増えて歯を食いしばる。 「くぅううううっ!」 「そんなふうに我慢されるのは良くないですよ?さぁ、お口を開けて、その可愛い声を私に聞かせて下さい。」 口を開けたら全ての我慢が出来なくなりそうで、俺はそれでもキツく歯を食いしばったが、沢の手は激しく俺を苛み、もう片方の手が俺の口の中に侵入するとぐいっと口を無理やり開かせた。 「ぃい…ああああああああっ!ダメぇ!やぁっ…やめっ…おかし…く…ぁああああああっ!」 ググッと腰が天に向かって仰け反り、果てたはずが何も出ず、そのままビクビクと身体が痙攣し続ける。 「な…何…これ…やだぁ…まだイ…ってる!ダメ!さわ…らない…でぇーーーーっ!」 沢が唇を舌で舐めると、瞳の奥が妖しく光り、指を体液と共に抜くと、ズンと脳天まで響くほどの衝撃と腹の中を抉る圧迫感。 「ひっ!ぁああああああああっ!!!」 チカチカと光が瞬き、俺は沢のが入ってきた瞬間、快楽に意識を手放しかけたが、それを沢の腰に奥を突かれて、今度は快楽によって意識を覚醒した。 「あっ…あーーーーーっ!もっ…助け…助…けて…やぁっ!奥…もっ…やめっ…ろ…ああああああああああっ!!」 「ですから、やめろと言われて支配する側が止めるわけがないでしょう?…寧ろそこをもっと責めて責めて、あなたが私にその全てを曝け出すまで責め立てる…それが支配するという事…そうですよね?」 ぐぅっと今までよりも奥の深いところに沢のが入ってくる。 「ぃいっ!やぁあーーーーーーっ!おかし…くなる…もっ…もうこれ…ヘンにな…っちゃ…ぅあーーーーーっ!!」 うつ伏せにされて背中から両腕を取られると体を反らされてゴンゴンと奥を激しく突かれる。 「やぁ!本…っとうにもう!もっ…むりぃ…助け…て… 助け…やだぁあああああああっ!!!」 口から溢れ出す涎と涙にぐちゃぐちゃになった顔に、後ろからキスをされ、その唇がうなじに当たる。 「ぁああっ!」 「全様…よろしいですか?あなたを私の番として…よろしいですか?」 這う舌にびくっと身体が跳ねた。 このどこまでも果てのない昂りを放ちたくて、コクコクと頷く。 「お…ねが…い。噛んで…噛んで俺を…俺を解き放って…くれぇっ!」 ガリっと皮膚が裂ける痛み。熱が身体中を駆け巡り、沸騰しそうなほどの熱さが体内から俺を貫き、その熱に押し出されるように俺の昂りが飛び散った。それと同時に体内に広がる温もり。 まるで砂漠の中で乾ききった身体に煽った水のように、沢の精液をごくごくと身体が飲み込んでいく。 「全様…ついに私のモノに…私の番に…全様、ありがとうございます。全様…」 「あぁ、お前の番にようやくなれた…ようやく…沢…これで…」 離そうとする身体を沢に背中から掴まれた。 「これで終わりだと?」 「え?!いや…もう俺…無理…」 「今夜はその全てを私に下さるんでしたよね?あなたを支配して構わないんですよね?」 ニヤッと笑って沢のが俺の中でググッと大きく硬くなっていく。 「沢!?ん…くぅっ!!はぁあっ!動く…なって…沢っ…ぁあああああああっ!!」 「まだまだ夜は長いですからね…たくさん私を受け入れ、楽しみましょう…ね、全様…っ!」 「…好きに…し…ああああーーーーっ!」 「はい、好きにさせていただきます。時間の許す限り…私をしっかりと満足させてくださいね、全様。」 震える腰、合わさる唇。沢の甘く囁く声と合わさっていく俺の喘ぎ声。いつまでも抱き合い、愛し合い、俺たちは溶け合うように体を重ね合わせた。

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