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第102話
「やだ…やめて…いやぁ!!!」
俺と他愛もない話をする時の夕とは違う甘く切ない声に、ごくっと喉が鳴る。目は瞑れても耳を塞ぐ事はできず、段々と極まっていく声にズクンと腰が疼いた。
「全、夕の声に反応してるのか?」
一の手が俺の中で体液を掻き回しながら気持ちいいところを激しく擦り、俺の下半身を口に咥えた。
「んんっ!!!やっ…やぁ…め…っ!!」
夕に聞かせたくなくて声を押し殺す俺を、一の舌と手が激しく責め立てていく。
「ひぃああああっ!!」
我慢できずに、口を閉じてもそれをこじ開けるように出た声に一が口を離してニヤッと笑った。
「いい声だ…なぁ、寒?」
視線は俺に向けたままで一が寒を呼ぶ。
「何でしょうか?」
「どっちが相手をいい声で鳴かせられるか勝負しないか?」
「何言って…やだよ!!いや…ぁああっ!」
俺の抗議を中に入った指を動かして黙らせると、どうだ?と寒を煽るように、それをまたも激しく動かして、俺の声を出させた。
「いやっ!やぁっ…ん…くぅっ!」
「どうだ?」
一の言葉に夕も寒にやめてと切願する。
「仕置きには丁度いいかもしれませんね…いいでしょう。」
「やだよ!!寒様、嫌です!!いやぁあっ!あっ!やぁあっ!んっ!そこ…やだ…ぁ…はぁああん!ぁああっ!」
夕が寒の手で段々と俺達の存在を忘れたかのように甘ったるい声を出す。
どうですかとでも言うように一を見る寒に、一の舌が自分の唇をぺろっと舐めた。
「へぇ?いい声出させるな…全、俺が負けず嫌いだって知ってるよな?」
「そんなの知らない!それに俺は負けでい…ぃいあああああああっ!」
一が俺の中の指を増やして激しく出し入れする。その快楽に俺の腰が激しく痙攣して、大きな声が我慢する間も無く悲鳴として出たと同時に白い体液が空を飛んだ。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
息を荒くしてぐったりとしている俺に、一がいいぞと俺の額に唇を当てた。
「もっ…やめ…て…」
俺の髪を撫でて、もう一度額に唇を当てた一がにっこりと微笑むと、寒にこちらに来いと呼び寄せた。
「夕の反応が見たい。連れて来い。」
既にぐったりとなった夕はそれでも嫌がっているようだったが、寒に抱き上げられて、俺からも見える場所に連れてこられた。
「やだ…見ないで…下さい…全様…見ないで…」
俺は夕とは反対に顔を背けるが、一の手が俺の頭を掴んで夕の方に向けさせると、夕に尋ねた。
「なんか匂ったり、衝動が起きたりしないか?」
「しません!しませんから、もうやめて…下さい…」
「まだ、納得できませんか?」
寒の言葉にいやと一が頭を振る。
「だったら、もうよろしいですか?」
夕が寒の肩に顔を埋めてホッとしたようにため息をつく。
だが、一はそれを見た瞬間、意地の悪い顔になって寒に何かを囁いた。
「はぁ…ここで、ですか?そう言われては断れませんね…分かりました。では全様をずらしていただきたいのですが?」
分かったと言いながら、俺の中から指を抜いて拘束を外すと、自分もベッドに上がってあぐらをかいた上に俺を座らせた。
「何?」
訳も分からずに振り返って一を仰ぎ見た俺にしぃっと言って指で唇を押さえる。
「さぁ、夕。ここに横にするよ?」
寒が優しく夕を俺達の横に寝かせるが、夕は怖がってすぐに上半身を起こそうともがいた。
「やだ!嫌だ!!怖い!!やだぁあ!」
それを寒が簡単に拘束すると一に向かって頷く。それを見た一が俺によく見てろよと囁いてから寒に向かって頷いた。
「夕、お二人にお前の一番可愛くて無様な姿を見てもらおうな?」
寒の言葉に夕の体が震え出し、涙を流してぐちゃぐちゃになった顔で寒に許してと言い続けた。
「許しているから、この程度で済んでいるんだよ?」
言った瞬間、バキッという鈍い音と、一瞬遅れて部屋に響き渡る夕の絶叫。
「どこをやった?」
「膝下です…それから肩。」
ゴキっと鈍い聞きたくない音が部屋に響く。
「やぁあああああああーーーーーーーっ!」
夕の顔にはもう表情はなく、寒の手が肋骨にかかっても抵抗もせず、寒がその全体重をかけるとバキバキという音と声にならない悲鳴を上げた夕の体が仰け反り、まるでバラバラにされた人形のように崩れ落ちてそのまま動かなくなった。
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