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7.テストの結果(4)
とまあ、もう終わったことをあれこれボヤいても仕方がない。
今は、ミオがほぼ満点を取った事を素直に喜ぼう。
「ミオ、よくやったね。惜しかったけど、俺だけは百点だと思ってるからな」
「うん……ありがと」
ミオは残念そうにしながらも、つとめて笑顔を作ってみせた。
「よし、ご飯を食べた後はケーキでお祝いしよう!」
「お祝い?」
「そう。ミオが初めてのテストですごく頑張ったお祝いだよ」
「えー、そんなに大したことじゃないのにー」
ミオが恥ずかしそうに謙遜する。
「前に言ったろ? めでたい事があったらお祝いしようって」
「うん。それは嬉しいけど」
「けど?」
「ボクが次のテストを頑張ったら、またお祝いするの?」
「う。そうなるとお祝いだらけになるな」
「でしょ。ボクそんなにたくさんケーキ食べられないから、テストのお祝いは今日だけにしよ?」
「そ、そうだね。ごめんな、俺、浮かれちゃって……」
「ううん、お兄ちゃんの優しいところがすごく伝わってきて、ボク、胸がいっぱいだよ。ほんとにありがとね」
ミオは答案用紙を握りしめたまま、俺の胸に飛び込んで甘えてきた。
「大好きだよ、お兄ちゃん……」
俺はミオの気持ちに応えるように、小さな体を包むように抱き寄せ、優しく頭を撫でた。
何だかこうしていると、俺たちは親子というより、歳の離れた恋人同士のようにも見えはしないだろうか。
ただ、俺は断じて、ミオの事を恋愛対象としては見てはいない。
見てはいないし、見てはいけないのだ。なぜなら、俺はこの子の里親という立場だから。
いかに、女の子もののショーツを普通に穿きこなす可憐なショタっ娘だとは言え、繰り返しになるが、ミオはれっきとした男の子なのだから。
……と、頭では分かっているはずなのに、今の俺は、なぜか胸のときめきが抑えられなかった。
一体どうしちゃったんだろう。この気持ち、まるで恋心じゃないか。
俺ってやっぱりショタコンなのかなぁ?
ところでミオ本人は、俺の事をどう思っているんだろう。
いつも「大好き」とは言ってくれるけど、それが果たして里親としてなのか、はたまた想い人としてなのか――。
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