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27.再会、そして(13)
「あっ。お兄ちゃん、レニィ君が来たみたいだよ」
「お、そうか。んじゃ迎えに行ってくるから、ミオはここで待っててな」
「はーい」
俺は席を立ち、ロビーラウンジの入り口に向かう。
確かに背格好の似た金髪の少年が二人、こちらの方へやって来ているな。
「あっ、柚月さーん!」
「やぁ。こっちだよー」
近くまで来たあの二人の姿をよく見ると、背格好だけじゃなくて、顔までもそっくりなような気がするな?
兄弟だから似ているのは普通にある事なんだろうけど、これは瓜二つというレベルではないのか。
今しがた俺の名を呼んでくれた、カチューシャを付けた子がレニィ君だとして、もう一人のショートヘアな子がユニィ君? で合ってるよな?
「お待たせしました! ユニィがなかなかサウナから出てこなくって。……ほらユニィ、こちらが柚月義弘 さんだよ。ご挨拶して」
「初めまして! 如月ユニィです!」
ショートヘアのユニィ君は、おしとやかなお兄ちゃんとは対照的なのか、とてもやんちゃで活発そうな印象だ。
ただ、この子たち、声までそっくりなんだよな。
「初めまして、よろしくね。とりあえず席は取ってあるから、一緒に行こうか」
「はい!」
席に戻るべく、二人に背中を向けていたので、今、どっちが返事をしたのか分からなかった。
こりゃ、ご両親でも聞き分けが難しそうだな。
「ミオ、連れてきたよ」
「うん。いらっしゃーい」
「改めましてこんばんは、未央さん。お邪魔します」
「如月ユニィです、よろしくお願いします!」
「わぁ、二人ってすごく似てるんだねー」
俺が心の中で思っていた事を、ミオがストレートに言葉にする。
でも、この子たちを初めて見た人なら、やはり俺たちと同じ感想を抱くだろう。
「あはは、それ、よく言われるんです。僕たちは双子だから……」
「そうか、双子さんだったのかぁ。道理でそっくりだと思ったよ」
「でも、レニィってすっごく運動音痴なんですよ。今日のボール遊びでも」
「ユ、ユニィ、それはもういいでしょ」
レニィ君が顔を真っ赤にしながら、ユニィ君の言葉を遮 る。
「もう。ほんとにすみません、柚月さん。ユニィが加減を知らないものだから、あの時ボールが当たっちゃって」
「いやぁ、いいんだよ。あれがあったからこそ、こうして出会えたわけだからね」
「うんうん」
俺の隣に席を移したミオも、笑顔で頷 く。
「ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです……」
顔の前で両手のひらを合わせ、上目遣いで俺を見るレニィ君のその姿に、少しだけ胸がキュンとした。
この子はこの子ですごく女性的だし、ミオとはまた違った魅力があってかわいいんだよなぁ。
弟のユニィ君はまだ会ったばかりだが、薄手のタンクトップにホットパンツという、相当きわどい服装で来ているため、肌の露出がかなり目立つ。
それに加えてこの女顔だから、おそらく見た目だけでは、男女の判別がつかないだろう。
そして、俺の隣に座って足をパタパタさせているのは、爽やかなブルーのショートヘアを持つ、キュートな子猫系ショタっ娘のミオ。
……もう、うすうす自覚しつつはあるが、こんなに幼い男の子たちに囲まれ、キャッキャと賑わう姿を見て、一人でドキドキしている俺は、やっぱりショタコンなのかも知れない。
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