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37.デパートを満喫しよう!(24)

 窓の外から目を切ってこちらを向き直したミオは、期待と不安がごっちゃになったような、複雑な顔になっていた。 「はは。そんなに固くならなくても大丈夫だって。さっき見ただろ? ミオよりも小さな子が乗りこなしてるところをさ」 「んー。ドキドキするよぉ」 「すぐそばで見ててあげるから、安心して乗っておいで」 「分かったよー。ボク、頑張るね」  頑張るって言うほど難しい乗り物じゃないんだけど、遊園地が初体験のミオにとっては、未知の遊具に対すると緊張しちゃうんだろうなぁ。  そんなミオが観覧車に一切の恐怖心を抱かなかったのは、やはり俺が一緒に乗ったからだろうか。 「観覧車、かなり上までやって来たな。もうそろそろ、てっぺんの方じゃないか?」 「ほんとだー。人とか車がすごく小さく見えるね」 「ミオは、高いところは怖くないの?」 「うん、平気みたい。遠足で行った山の上から、下の方を見てて慣れたのかも」  という自分の発言で山の事を思い出したミオは、しばらくキョロキョロした後、昼食の時に窓から見た栄姫姿岳(えにしだけ)を見つけ出した。 「ねぇねぇお兄ちゃん。ボクたちがお昼ご飯の時に見たのって、あの山だよね」 「そうみたいだな。ここからじゃ見えないけど、向こう側のどこかに展望台とホテルがあるんだろうね」  昼食の時、ミオと俺は、あの山の上から夜景を見ようという約束を交わした。  おそらく展望台は混み合うだろうから、出来ることならホテルでお泊まりして、部屋の窓からじっくりと夜景を眺めさせてあげたいんだが、どのタイミングで予約を取るのがベストなのかなぁ。  先日行ったリゾートホテルみたいに、半年前から予約が詰まっているような人気宿だったら、ミオと交わした約束がどんどん先延ばしになってしまうおそれがある。  かと言って、比較的空いていそうな平日に行くのは現実的ではない。学校があるミオとしても、社会人の俺としても、次の日が休みだという余裕を持って宿泊したいんだよな。  家に帰ったらお宿の予約サイトを開いて、良さげな日に空きがあるか確認してみるとするか。  ロマンチックなひと時を、かわいいショタっ娘ちゃんと二人きりで寄り添って過ごせる絶好の機会なんだ。せっかくお泊まりするなら、何が何でもいい部屋を確保しなくっちゃな。

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