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40.夏祭りを控えて(2)

 雨男とか晴れ男みたいな、一種のジンクスは一切考慮に入れないし、入れるだけ無駄だと思っている俺だが、神様からのご託宣の内容が良くないと、さすがに影響を及ぼしそうな気がしてくる。  だからと言って、このまま何もせずに諦めるわけにはいかない。もっと情報を集めて、何とか晴れ間が覗く日を見定めなければ。 「……ん?」 「どうしたの? お兄ちゃん」 「ちょっと予報が変わった。ほら、土曜日の夜は曇りだってさ」  俺は隣でがっかりしていたミオに、天気予報が表示されているスマートフォンの画面を向ける。 「あ、ほんとだー。雲のマークになってるね」 「どうやら最新の気象情報で、雨雲の動きが変わったらしいな。と言っても、相変わらず日曜日は雨のままなんだけど」 「じゃあ、行くなら明日がいいって事だよね?」 「うん。明日行こう。俺はこの予報を信じるよ」 「良かったぁー。せっかくお兄ちゃんとお祭りデートなのに、行けなかったら悲しいもん」  そう。明日からの納涼祭は、ミオの記念すべきお祭りデビューであると同時に、二人がずっと心待ちにしていた、デートの日でもあるのだ。  俺たちにとっては、そこがデパートだろうがイカ料理専門店だろうが、二人っきりでどこかへお出かけできるのなら、とにかくそれはデートなのである。  感覚としてはもう、完全に恋人同士のそれなのだが、実際に俺たちは結婚を前提として付き合っているという事実があるので、何ら間違ってはいない。  ただ、俺はこれが狙いでミオの里親になったんじゃない、という事だけは強調しておきたい。  ショタコンの気があるのは後に発覚しただけであって、元来からの少年好きではないし、あくまで俺はショタっ娘のミオ一筋だから、どっちかと言うとノーマルである。  という感じで申し開きをしたら、果たして周りの人たちには信じてもらえるだろうか。  少なくとも、今度の盆休みを利用した帰省にて顔を突き合わせる事になる、俺の親父とお袋には、まだこんな事は言わない方がよさそうだな。

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