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40.夏祭りを控えて(7)

 そして小学生の時は当時の定番、白のブリーフだった。  女の子用のショーツがここまで似合うのは、美少女顔でスレンダーな体つきをしている、ショタっ娘のミオだからこそだと俺は思うのである。  たとえば、俺みたいなムサい男が好んでショーツを穿こうものなら、それこそ周りから大顰蹙(だいひんしゅく)を買うのはまず間違いない。  もっとも、俺はショーツを穿くつもりも、見せびらかすつもりも毛頭ないので、全く意味を持たぬ推測なんだけれども。  ちなみに近年のステテコは、それ単体でハーフパンツみたいな用途で着用し、お出かけできるほどオシャレなデザインのものもある。  だからステテコなんておっさん臭い、という認識は、もはや過去の遺物になりつつあるのだ。 「でもボク、ステテコなんて持ってないよー。どうしたらいいの?」 「実を言うと、俺も持ってないんだよな。まぁ、今更買いに行くのも無理な話だし、普通にショーツだけでいいだろ」 「分かった! じゃ、取っておきのを穿いていくねー」  ミオは俺の返事を聞くやいなや、再度、小走りで自分の部屋へと戻っていった。  あの子の取っておきのショーツって、もしかして、結構前に触らせてくれたアレなのだろうか。  浴衣を着てお出かけするんだから、下着なんて別に何でもいいんじゃないの? という考えがよぎったのは、俺が女心を分かっていない証拠だろうな。  ミオは俺とのお祭りデートのためだけに、自分が最も気に入っていて、よほどのことが無いと穿かない下着を着けてくれるというのだ。そんな、彼氏への健気なサービス精神を喜ばずして何とするのか。  ただ一つ、自分に言い聞かせるとするなら、当然ながらショーツは浴衣の下に穿くものなので、俺からは見えないし、進んで見ようとしちゃいけないものなのである。 「お兄ちゃん、着替えてきたよ!」 「え?」  他に何か調べ物はないか、考え事をしながらネットの検索結果を眺めていると、背後からミオの呼ぶ声がした。  何の気なしに振り返ってみると、そこでは鎖骨が、というかほぼ肩まで露わになり、胸元まで大きく開いているTシャツへと着替えたミオが、晴れやかな笑顔で立っていたのである。

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