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41.ショタっ娘のお祭りデビュー(6)
これを似顔絵と言うかどうかは微妙な問題だが、あんまり難しく考えても仕方ないだろう。
何しろ、今の俺たちはおせんべいにソースで絵を描いて遊んでいるだけなんだから、つまるところ楽しんだもの勝ちなのである。
顔はこれでいいとして、次に輪郭を、その後はミオの髪の毛を描くだけで完成なのだが、髪型を似せるのってなかなか大変だな。
俺みたいに刈り上げた短髪なら一筆でいいんだけど、ミオの場合は襟足が首の付け根あたりまで伸びているので、そこもしっかり描写したい。
うーん。やっぱり大人になると、どうしても、小難しい事を考えながらのお絵描きになってしまうなぁ。
まぁやってて楽しいからいいけど。こういう創作って、頭の体操にもなるだろうし。
「よーし。できたぞ」
「ボクも、お兄ちゃん描けたよー」
ソースを使って、お互いの似顔絵を描き終えた俺たちは、天井から吊るされている投光器の明かりでせんべいを照らし、その出来ばえを見せ合う。
「どうだいミオ? 上手く描けてるだろ」
「わぁ。何だかアニメの絵みたいなボクだねー」
「はは、やっぱり分かっちゃった? 実はプリティクッキーの絵柄を真似してみたんだよね」
「そうなんだ! じゃあお兄ちゃんのお絵描きは、エリナちゃんみたいな感じで?」
「うーん。どっちかと言うと、ゆりえちゃんを意識したかな。髪型と髪の色がミオに似ているからね」
ちなみにエリナちゃんというのは、プリティクッキーの主人公で、ゆりえちゃんはエリナちゃんと仲の良いクラスメート、という設定である。
「なるほどー。かわいく描いてくれてありがとね、お兄ちゃん!」
ミオは少し照れくさそうな顔をしているが、自分の事を美化してもらった嬉しさが隠せない、といった様子だ。
もっとも美化なんてしなくても、実物のミオは超が付くほどの美形なので、むしろアニメ調にデフォルメして良かったのかなぁとすら思う。
描かれた本人がここまで喜んでくれているから、一応この路線は成功だったんだろうけど。
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