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41.ショタっ娘のお祭りデビュー(17)
もっとも、このうだるような暑さの中、まだ訪れてもいない季節の話をすると、せっかく参加したお祭りの楽しみが半減しちゃうかもだからね。
今は、来たるべきその日のために、着々と準備が進んでいる、という事だけ分かってもらえればいいんだ。
とりあえず、これでミオが抱いた誤解は全て解消できたようだし、おせんべいとラムネの飲食タイムに戻るとしよう。
「ところでミオ、ラムネの味はどうだい?」
「んっとね。甘くて、シュワシュワしてておいしいよー。でも……」
「でも?」
「こうして飲むたびにビー玉が詰まってくるから、工夫しなきゃだよね」
ミオはそう言うや、口をつけたままのラムネの瓶を斜め上に傾ける。
すると、開けるまでは栓の役目を果たしていたビー玉が転がって、再びフタをする形になり、結果として中身のラムネが出にくくなってしまったのだ。
やっぱり、みんな同じ経験をしているんだなぁ。俺が子供の時なんかは、ビー玉がフタをしているのをいい事に、瓶を逆さまにして遊んでいたもんだが。
その点ミオは賢いので、ビー玉の特性を理解した上で、どうすれば上手に飲むことができるかをよく考えている。
早い話が、ビー玉が転がらないような角度まで瓶を傾けて飲むだけでいいのだが、その技術を初体験で会得しているのはさすがとしか言いようがない。
やっぱり、うちのショタっ娘ちゃんは天才児だなぁ。かわいいだけじゃなくて頭もいいんだから、「天は二物を与えず」なんて諺 は嘘だな。
もっとも運動が苦手で、横文字にも弱くて、そのせいで時おり天然ボケをかまして俺をハラハラさせたりはするけれども、まぁ、それも愛嬌という事でいいでしょう。
「ねね。お兄ちゃんのラムネってパイン味するの?」
「え? いや、何と言うか、香りだけはそれっぽいような気がするかなーって」
「そうなの? ボクの方は、あんまりメロンの匂いもしないから、普通のサイダーを飲んでるって感じだよ」
「きっとミオが正しいと思うよ。夢をぶち壊すような事を言うのも何だけど、ここで売ってるラムネのほとんどは、サイダーに着色料を混ぜただけだろうな」
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