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41.ショタっ娘のお祭りデビュー(19)

「まぁ一言で表すと簡単なゲームなんだけど、その種類はいろいろあるよ。例えば金魚すくいだろ」 「金魚すくい? なぁにそれー」  すくう事になのか、あるいは金魚という品種に引っかかったのかは分からないが、いずれにせよ、ミオにとって金魚すくいは初耳だったようだ。  もっとも、今日が記念すべきお祭りデビューの日だから、知らないのも無理からぬ話ではあるが。 「えーとな。金魚すくいってのは……」 「あっ、もしかしてミオちゃんじゃない?」 「え?」  俺が金魚すくいの遊び方を説明しようとした途端、背後からミオの名を呼ぶ少女の声がした。  この声には聞き覚えがあるな。確か、髪が伸びてきたミオを、ヘアーサロンへと連れて行く最中に出会った――。 「やっぱりミオちゃんとお兄さんだぁ。やっほー」 「およ? この声は里香(りか)ちゃんだよね?」  俺たちが後ろを振り向くと、フリル付きのかわいい浴衣ドレスに身を包んだ、ツインテールの女の子が手を振りながら、こちらへ駆け寄ってきた。 「そだよぉ。久しぶりだねっ」  ん? 久しぶり? 「ミオ。終業式の後、里香さんとは会ってなかったのかい?」 「うん。里香ちゃん家、夏休みになったらオーストラリアに『ろんぐすてい』するから、しばらく会えないって言ってたんだよ」  ロングステイ、つまりは長期滞在か。  そんな余裕があるって事は、ひょっとして里香さんの親族は、資産家か何かなのかねぇ。 「こんばんは、ミオちゃんのお兄さん!」 「やぁ、こんばんは。よく俺たちが分かったね」 「はい! ミオちゃんの髪の毛の色で、すぐ分かっちゃいましたぁ」  なるほど、そこに着目したか。  確かにミオの髪色はおそらく唯一の、遠くからでも目立ちやすい爽やかなブルーなので、他人と間違える事はまず無いんだろうな。 「わー。里香ちゃん、フリフリでかわいい浴衣着てるー」 「ミオちゃんの浴衣も、お魚さんの絵がいっぱい描いてあるの、すっごくかわいいよぉ」 「えへへ。これ、お兄ちゃんにも一緒に選んでもらったんだー」 「いいなぁ。あたしのパパなんて、全然浴衣に興味がないんだよ。だからこないだ、ママと二人で買ってきたの」 「よく似合ってるよー。スカートっぽくて涼しそうだね」 「でしょ? でも、ちょっとだけ短いかなって思ってるんだぁ」 「それって、ショーツが見えちゃいそうだからってこと?」 「うん。ミオちゃんもショーツを見られないように気を付けなきゃだよ」

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