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41.ショタっ娘のお祭りデビュー(22)

「まあ、難しいよな。ただでさえ薄い紙を水に浸して、金魚の重みで破れないようにすくい上げなきゃならないんだからさ」  ちなみに、金魚すくいに用いられるポイは紙だけとは限らず、モナカに持ち手を付けて作られた場合もある。  こちらはある程度耐久力がありそうな気はするものの、水に弱い事には違いないので、やはり過信は禁物なのだ。 「そうなんだ。里香ちゃんが取れなかったのも分かる気がするねー」 「ミオもやってみたくなった?」 「んん? んー……ボクはいいかなぁ」  俺と里香さんによる話を総合した結果、あまり魅力的ではないと判断したのか、ミオは遠慮がちな反応を見せる。  金魚を持ち帰るからには、飼育するための心構えと準備が必要だ。今の我が家にその準備が整っていない事も、ミオに二の足を踏ませている原因なのかも知れない。 「じゃあ、他の事して遊ぼっか」 「うん。やっぱり、食べられるお魚の方がいいもんね」  おーい、そういう理由かい!  猫は時おり金魚鉢や水槽に手を突っ込んで食べようとするから、うちの子猫ちゃんもあるいは? と思ったが、さすがにそれは無いのか。  まぁ、無理してあんな小さい魚をすくい取って調理するよりは、いつぞやの海釣り公園にてアジでも釣った方が、食いではあるだろうしなぁ。 「そしたらミオ、あっちの射的なんかはどうかな」 「シャテキ? えっと、あの向こうでやってるゲームだよね」  ミオが首を伸ばして見た先では、お客さんたちがそれぞれの目標へと狙いを定め、銃のおもちゃを構える光景が繰り広げられていた。 「あれって何してるの?」 「射的は、欲しい景品を銃で撃ち落とすゲームなんだよ。銃は貸し出してくれるから、あとはコルクの弾を買って撃つだけでいいのさ」 「欲しい景品かぁ。じゃあ、プリティクッキーのおもちゃもあるかな?」  年頃の男の子ならゲームでも欲しがるかなと思ったが、うちのミオは、ほんとに魔法少女プリティクッキーのアニメが好きなんだな。 「たぶんね。とにかく、女の子でも楽しめるようにいろんなものを置いてあると思うから、一度遊びに行ってみようよ」 「うん!」

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