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41.ショタっ娘のお祭りデビュー(34)
デートプランが行きあたりばったりでも嫌な顔一つせず、俺の腹を満たすために買った焼きそばを、おいしいおいしいと言って食べてくれるんだから。
ほんとにミオが俺の彼女で良かった。
「ねね、お兄ちゃん。この焼きそば、味が濃くておいしいよー」
「ん! ほんとだ。普通、野菜と一緒に焼いていくと、野菜からしみ出た水分でソースの味が薄くなるもんなんだけど、しっかり濃い味になってるね」
「うんうん」
「うまいなぁ。麺にもコシがあるし、こんだけしっかり味がついてるなら、白飯が食いたくなるよ」
「お祭りの屋台って、白いご飯は売ってないの?」
ミオにとっては、こういうお祭りは初参加となる。だからこそ、屋台や出店の事情を知らないわけで、そこに白飯があるのか無いのかは、当然抱く疑問だろう。
「全くないって事はないよ。例えば、肉巻きおにぎりなんかは、一応白飯の分類になるからね」
「なるほどー。じゃあ、他にもあるの?」
「そうだなぁ。厳密には白飯ってわけじゃあないんだけど、餅とかかな。あれはもち米が原材料だからね」
「お餅があるんだ?」
「うん。磯辺焼きって言って、餅を海苔で巻いて食べるのものあるよ」
「へぇー、おいしそうだね」
「確かにおいしいけど、とにかく腹にたまるもんだから、他の料理が入らなくなっちゃうのが考えものだな」
「そっかぁ。じゃ、お餅を食べるなら最後にした方が良さそうだね」
少食でスレンダーなミオだと、お祭りで売るサイズの磯辺焼きを一つ食べただけで、腹いっぱいになって、その場でおねむになってしまいそうではある。
そういう意味では、ミニサイズの焼きそばを選んだのは正解だったのかもなぁ。
「焼きそば、ほかほかでおいしーい」
微笑ましいなぁ。ミオがおいしそうに食べてくれるのを見ると、こっちまで幸せになるよ。
焼きあがりをそのままパックに詰めてくれた焼きそばからは、特濃ソースの絡み合った湯気が立ち昇り、食欲をそそる匂いが立ち込める。
アクセントとなる青のりの香りがまた味わい深いんだが、なにぶん歯にくっつくリスクがあるもんだから、食後は、ここへ来る途中に買ったお茶で、しっかり口を濯 いだ方が良さそうだ。
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