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41.ショタっ娘のお祭りデビュー(43)

 ちなみに毎週日曜日の朝、ミオの隣でアニメを視聴している俺としては、エリナちゃんのクラスメートで、ミオと同じ髪色をしているゆりえちゃんが好きなのだが、さすがに脇役が綿飴の袋にプリントされる事はないらしい。  例えばクリアファイルとか、タペストリーなんかのグッズだったら、エリナちゃんの日常風景に添える感じで、何とか出演は叶っているのかも知れない。  ただ、そこまで執念を燃やしてゆりえちゃんグッズを集めたら集めたで、ミオにやきもちを焼かれるおそれがあるわけだから、やっぱり俺は、アニメを見て満足するだけに留めた方がいいだろう。 「見て見てお兄ちゃん! 綿飴が、こんなにたくさん詰まってるよー」  ミオと里香さんは、屋台のおじさんから、綿飴でパンパンに膨れ上がった袋を受け取ると、それを両手に抱え、小走りで戻ってきた。  ミオ、幸せそうな顔してるなぁ。綿飴でここまで喜んでもらえると、心がほっこりするよ。 「プリティクッキーの袋に入ったやつ、まだ買えたんだね。良かったなミオ」 「うん。袋からあまーい匂いがしてきて、とてもおいしそうなんだよ。お家に帰ったら、二人で一緒に食べようね」 「そうだな。夜のおやつは綿飴にしよう」  夜遅くに食事を摂ると、俺みたいな三十路の近い男は体重増加が気になるところなんだが、何たって今日は、ミオのお祭りデビューとなった記念日だからね。  こんなめでたい時こそ、盛大にお祝いをしてあげなくちゃな。 「さて、それじゃあ帰るとするか」 「そだね」 「あ。ミオちゃんのお兄さん!」  俺たちが帰り支度を始めると、傍らで話を聞いていた里香さんが、何か話したそうな様子で声をかけてきた。 「義弘でいいよ。何だい?」 「じゃあ……義弘お兄さんで!」 「うん」 「えっと、それでお話なんですけど。あたしたちも、途中まで一緒に帰ってもいいですか?」 「もちろん構わないよ。な、ミオ?」 「ボクはいいけど」  ミオはそこまで言うと、里香さんから死角になるよう体を翻すやいなや、ジト目で俺の顔を見つめてきた。  おそらく、里香さんに懐かれている俺が、彼女と浮気をするんじゃないかと疑っているのだろう。  仮にそうだとしたら、俺はとんでもない男だよ。ミオが好きなショタコンであると同時に、ロリコンの気まであるヤバい奴だという事になるんだからな。  どうやら俺は、里香さんの問いに二つ返事でOKを出した事が原因で、ミオにあらぬ疑惑を抱かせてしまったらしい。

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