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41.ショタっ娘のお祭りデビュー(45)
「ミオ。初めてのお祭りはどうだった?」
「すっごく楽しかったよー。お兄ちゃんにいろんな店へ遊びに連れて行ってもらって、ボク、ずっとワクワクしてたの」
と、ミオははち切れんばかりの笑顔で答える。
各種屋台のグルメとの出会いやお絵描きせんべい、射的、ヨーヨー釣りといったお遊びの体験は、ミオにとっては全てが初めてで新鮮だったんだろうな。
今回のお祭りデートも、楽しい思い出作りをさせてあげられて、ほんとに良かった。
俺は俺で、ミオのかわいい浴衣姿を拝めたので満足している。さすがに、一番お気に入りのショーツがチラ見えする事は無かったが、それはそれで、アクシデントが起こらずに済んだというわけだから、何ら問題はない。
「ミオが楽しんでくれて良かったよ。来年のお祭りも、またここへ遊びに来ような」
「うん! また来年もヨーヨー釣りやるぅー」
「ははは」
また来年、ミオがあのお店へヨーヨー釣りに行ったら、店番をしていたお婆さんは、引きつった笑顔で出迎えることになりそうだな。
「ねぇミオちゃん。夏休みの宿題、どこまで進んでる?」
納涼祭に関する話が一段落した後、里香さんが機を見計らって、現実へ引き戻すような話題を振ってきた。
そうだ。今はもう八月の上旬。子供たちによっては、面倒で仕方なくとも、そろそろこの問題にも向き合わなければならないのだ。
「ボク、もうほとんど終わったよー。残りは読書感想文と自由研究、あとは日記くらいかなぁ」
「いいなーミオちゃん。あたし、算数の問題集がまだ全然終わってないんだよぉ」
実に面倒くさそうに話す里香さんの表情を見るに、彼女はどうやら、ミオとは対照的に、算数を苦手にしているようである。
だからこそ里香さんのご両親は、彼女を塾に通わせて、不得手な教科を無くさせようとしているのだろうが、こればかりは難しいよなぁ。
ちゃんと授業を聞いていた俺ですら、数学はからっきしダメだったし、苦手教科ってやつは、きっと何かが受け付けないんだろう。
「あの、柚月さん。こんな事をお伺いするのは失礼かも知れませんが……」
「はい? 何でしょう?」
俺の隣を歩き、水ヨーヨーで遊びながら課題の話をするミオと里香さんを微笑ましげに見守っていた怜香さんが、突如かしこまった様子で尋ねごとをしてきた。
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