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41.ショタっ娘のお祭りデビュー(47)
「ママ、やっと分かってくれたの? あたしは熱いのが嫌だから、ぴったり四十度の方がいいんだって事にぃ」
って、ほんとに温度の問題だったんかい!
「最近のパパはいつも熱くするから、あたしは冷ましてから一人で入るんだよ。その点、ミオちゃんはいいよねー」
「えへへ。お兄ちゃんとは、いつもお風呂で背中の流し合いっこするんだぁ」
ミオは嬉し恥ずかしという様子で答えながら、照れ隠しで水ヨーヨーを四方八方に飛ばし始めた。
「里香、そういう事だったのね。もっと早く言ってくれれば、温度なんていくらでも調整したのに」
「ありがと。でも、パパはすぐ熱くするじゃない? だからもう、パパとは一緒に入らないって決めたのっ」
「あらあら。でも仕方ないわね、里香ももう年頃だし。それじゃあこれからは、ママと一緒に入りましょうね」
「うん!」
里香さんの嬉しそうな返事を聞くに、どうやらこの一件は、良い方向で落着したらしい。
里香さんのお父上はお気の毒さまだけど、家庭の問題が一つ解決した事で、心なしか、怜香さんたち母娘の顔が晴れやかになったように見える。
俺自身、相談事に答えられるほど人生経験が豊富じゃないから、何とかその場を凌ぐつもりで適温の話をしたのだが、何がきっかけになるのか分からないもんだな。
ともすれば複雑に入り組みかねない家庭の事情だけれど、割と早い段階で、お互いの心に秘めていた思いを打ち明けられたのは良かった。
俺とミオも、こういうあっさりとした感じで、二人が交わした結婚の約束を、みんなに祝福してもらえれば――どんなに楽な事だろうか。
まかり間違ったら、俺は養育里親の立場を悪用した、危ないショタコン野郎という最低のレッテルを貼られてしまうに違いない。
ショタコンなのは否定しないが、俺は立場を悪用していないし、どちらかと言えば危なくない方のショタコンだから。
ともあれ、まずは来週の末。盆休みで実家に帰省した際、両親に、二人の関係をどう説明するかで、俺たちが今後採るべき方策が定まってくるだろう。
果ては地獄か天国か、全てが俺の舌先にかかっている。願わくば、万事が穏便に済んで、二人がこれからも幸せでいられますように――。
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