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42.田舎に帰ろう!(10)
……いや。この場合、「バレる」という表現は適切じゃないか。ミオはあくまで、自分の好みでショーツを選んでいるのであって、決して俺が下心丸出しで穿かせているわけではない。
近年は、俺が子供の時のような、男子総ブリーフだった時代ではないし、着用する下着にも、多様性が認められていい時代になってきたのだから、誰が何を言おうと気にする必要はないのだ。本来は。
ミオから聞いた話によると、ショーツには男女兼用や、あるいは男子専用のものまであるらしいし。
このように、最近の下着における多様性を鑑みれば、ミオが女の子もののショーツを穿いていても、何らおかしくはないだろう。
とは思うのだけど、うちの親が、俺ほど柔軟な考え方の持ち主であるかどうかは分からない。
そもそも論として、ミオは隠し立てするような、やましい事は一切していないんだが、かと言って黙して語らなければ、たぶん双方にモヤモヤが残りそうな気がする。
だからショーツの件は、実家に帰って一息ついた後、お袋にそれとなく話しておこうと思う。
「そうだ、ミオ。実家に帰ったら、庭で花火をして遊ぼうか」
「え? 花火って、お庭でできるの?」
「そうだよ。今日は商店街のおもちゃ屋さんに寄ってきたんだけどさ、ちょうど、手持ちできる花火のセットを売っていたんだ」
「へぇー。花火にもいろいろあるんだね」
「明日は早く帰ってこれるから、少し早めに晩ご飯を食べたら、おもちゃ屋さんで、好きな花火を買っていこうよ」
「うん! ありがとうお兄ちゃん。すごく楽しみだよー」
まだ見ぬ手持ちの花火に思いを馳せたミオは、すでにワクワクを抑えきれない様子だ。
さすがの天気も、今回ばかりは空気を読んでくれそうな晴れ予報だったし、これで道が混んでいなければ、もう何も問題は無いな。
実家に帰ったらゆっくり羽を伸ばして、たくさん遊んで、ミオにいい思い出を作らせてあげよう。
「あ! ねぇねぇお兄ちゃん。ちょっとお話が変わるんだけど……」
「ん? 何だい?」
「お兄ちゃん、レニィくんたちの事覚えてる? あのホテルで会った、双子の男の子たちだよ」
「ああ、あの子たちね。よく覚えてるよ」
むしろ、忘れてしまう方が無理ってもんだ。
なぜなら、双子の兄弟である如月 レニィ君、ユニィ君は、ミオにも負けないくらいの美少女系なショタっ娘だったのだから。
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