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46.花火で遊ぼう!(1)
俺こと柚月義弘 は、勤め先で定められたお盆休みを利用し、養育里親となった俺の里子であり、同時に恋人でもあるショタっ娘のミオと一緒に、マイカーを駆って三時間ほどかけ、両親のいる実家へと帰ってきた。
両親にミオの顔見せをするという意味もあるが、ほんとの目的は、生まれ故郷を知らない孤児 のミオに、家族の暖かみを分け与えてあげたかったのだ。
俺はミオの養育里親を申し出て、柚月家に迎え入れはしたものの、養子の縁組をしていないので、戸籍の上では親子ではない。それでも、俺の親父とお袋は、ミオを初孫として優しく迎え入れてくれた。
奥手なゆえに女っ気が全く無い、非モテ男の俺。
親父とお袋は、そんな不器用な我が子が、いつ孫の顔を見せてくれるのかと、さぞヤキモキしていた事だろう。
だからこそなのか。俺が、ミオを我が家へ迎え入れようと考えている、こう相談した際には、親父たちは諸手を挙げて賛成してくれたのだった。
そしてこの夏を利用して、実家へ連れて帰ってきたミオを、親父とお袋はとてもよくかわいがってくれたのである。
親父に至っては、ミオの愛らしい美少女顔と向き合うだけで、もうメロメロだ。
そんなかわいい初孫を楽しませよう、退屈させまいと決意した親父は、仕事帰りに、大容量の花火セットを買って来たそうだ。
晩ご飯を食べ終えた俺たちは、腹ごなしというわけでもないが、実家の庭にて、その花火セットで遊ぼうという話がまとまったのである。
……それにしても、いざ縁側から庭に出てみると、ムワッとして蒸し暑いな。
八月も半ばとは言えど、今年の残暑は厳しい。夜の八時を回っても、体感ながら、まだ三十度近くはありそうな気がする。
「お兄ちゃん、バケツにお水汲んできたよー」
風呂場の蛇口から、花火の始末に用いるための水をバケツに汲んできたミオが、取手を持つ両腕を震わせながら、ヨロヨロと庭へ降りてきた。
「ご苦労さん。はは、しこたま汲んできたんだな」
「うん。ボーッとしてたら溢れそうになっちゃったから、慌ててお水を止めたの」
「いいよ、多いに越したことはないさ。それだけあれば、たくさんある花火もしっかり消火できるからね」
「ほんと? 良かったぁ」
並々と水を汲んできたミオは、俺の言葉に胸を撫で下ろした様子を見せると、水がこぼれないよう、容量およそ十リットルのバケツを慎重に置いた。
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