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48.ショタっ娘とスローライフ(2)

 俺の事が好きすぎて、夢を見るほどにまで慕ってくれているミオは、とてもキュートな男の子。だけどこの際、ミオの性別なんて、別にどっちだろうが関係ないよな。  なぜなら、俺は性別じゃなくて、いつか再会できる事を信じて、四年も待ってくれていた、一途なミオに惹かれたんだからね。  そんなミオの想いを知らず、金遣いと言動が荒っぽいあの女と付き合っていた、およそ一年もの時間は、俺の浮気になってしまうのかなぁ。  決して時間を戻したりはできないけれど、せめてこれからの人生は、ミオを幸せにするために全力を尽くそうと思う。それはすなわち、彼氏であり、将来の旦那となる、俺の幸せにも繋がるのだから。      * 「おっ、我が家の天使がお目覚めだぞ。おはようミオくん」 「おはよう、ミオちゃん。ちょうどいい時間に起きて来れたわね。よく眠れた?」  朝ご飯の支度を終え、麦茶をグラスに注いでいるお袋が、まだ少々寝ぼけている様子のミオに、優しく問いかける。 「おはよう、お祖母ちゃん、お祖父ちゃん。いっぱい寝れたよー」  決して舌っ足らずというわけではないのだが、「寝れた」という〝ら〟抜き言葉で返事するところが、いかにも現代っ子らしい。  かといって、「寝られた」というのもしっくり来ないし、まだ十歳の子が「眠れた」と答えるのも、少し大人び過ぎているような気がする。  以上の事を踏まえて考えると、ミオが選んだ「寝れた」という言葉は歳相応というか、最も伝わりやすい表現なんじゃないかと思う。  ちなみに、現在時刻は午前七時半をちょっと回ったくらいだから、仮に今日、俺たちが住むマンションから出社すると考え、通勤時間をプラスして到着時刻を算出しても、まだ早い起床ではある。 「昨日はミオちゃんと一緒にお休みできて、お祖母ちゃん、とても嬉しかったわ。ウサギさんのかわいいぬいぐるみも見せてもらえたし、ね」 「ミオくんはいつも、あのぬいぐるみを抱いて寝るのかい?」 「んー。いつもじゃないけど、お兄ちゃんがお家にいない時は、ウサちゃんをお兄ちゃんだと思って抱っこするよ」  というミオの話を聞き、表情が緩みきったお袋は昨日にも増して、母性本能をくすぐられたらしい。  無理もない話だ。俺があのウサちゃんを買うに至った時も、同じ話を聞いて心を揺さぶられた次の瞬間、自然と体が動いて、ミオを抱きしめていたのだから。  俺の代わりを務める、垂れ耳がチャームポイントなウサちゃんは、時には、俺とミオの子供としてかわいがる事もある。  もはや、感情移入されたぬいぐるみという次元ではない。二人にとっては家族も同然だからこそ、俺たちはこうして、ウサちゃんを実家へと連れて帰って来たんだ。

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