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54.完全決着(23)
学校で起こった事件が一段落したので、俺は音を立てぬよう寝室に入り、ぐっすり眠っているミオにタオルケットを掛け直した。
ほんとは愛らしい寝顔のショタっ娘ちゃんと、今すぐにでも添い寝したいのだけど、今日はまだまだやる事が残っているらしい。
さっき寝室へと向かう前、テーブルの上に置いていたスマートフォンが、ほんのわずかだけ振動した。それはつまり、何らかの通知があった事を意味している。
仕事であれプライベートであれ、俺もミオも、夜になったら必ずスマートフォンをマナーモードに設定している。
その理由は至極シンプル。静まり返った時間帯で、突然けたたましい呼び出し音が鳴ったら驚くからだ。特にミオは大音響に敏感だし。
どうやら、通知の正体は電話の着信だったらしい。でも、見たことのない電話番号だなぁ。会社の誰とも合致しない上に、固定電話でもないから、発信地も不明のまま。
あれか? いわゆる詐欺電話ってやつか? 折り返してかけた途端、高額請求をふっかけて来る手口だろ。
と、いぶかしげにスマートフォンを眺めていると、再度の着信を知らせる振動が手に伝わってきた。詐欺にしてはしつこいなぁ。
仕方ない、出るか。念のために、録音機能をオンにしておこう。
「もしもし?」
「……やっと出たわね。アンタ、かけ直しって言葉知らないの? 相変わらず冴 えない男」
「ああ、誰かと思ったら未玲 か。犯罪者にお小言をもらう筋合いはないんだけどな」
電話の主は未玲。俺の元カノで、現在は度重なる詐欺行為にて逮捕・追送致され、長い留置所暮らしを送っている。そういう身であるからこそ、俺とコンタクトを取る手段は無いと思っていたんだけど、一体何をどうしたのやら。
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