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56.お手紙着いた!(5)

「ちょっと日焼けしたように見えるけど、二人とも元気そうだね。レニィ君はちょっと髪が伸びたかな?」  ブロンドヘアーの双子ちゃんたちが、手紙と一緒に送ってくれた、いわゆる「自撮り」の写真を見た感想がこれだった。  二人とも、ほんとに男の子なのか? と疑ぐりたくなるほどかわいい。ミオという奇跡のショタっ娘ちゃんを筆頭に、三人全員が女の子だと間違えられたとしても無理はないよな。 「見て見てお兄ちゃん、お家の写真もあるよ! おっきいねー」 「こ、これは相当だな。一体、何億かかったのか想像もつかないくらいデカいじゃん。そりゃ家政婦さんも雇わなきゃだよな」 「うんうん。……あれ? こっちの写真にもお家があるよー。家政婦さんが住んでるのかな?」 「えぇ?」  確かに、もの凄い豪邸が建てられた敷地内には、比較的小さな一軒家のような建物がある。でも、家政婦さんは本邸への住み込みが原則だろうから、たぶん住居じゃないよな。 「これ、ゲストハウスじゃないか?」 「げすとはうす? それって『げす』で区切る?」  区切らない区切らない。そんなところで区切ったら、「ゲスとは(うす)」みたいなポンコツ変換になるから、尚更意味が分からなくなっちゃうよ。 「区切るなら『ゲスト』までだよ。簡単に説明すると、遊びに来た人がお泊まりできるための家、ってところかな」 「へぇー、そんな風に分けてるんだ」  とりあえず、ゲストハウスとは何か? という疑問は解けたようだが、首を傾げ続けているミオの目線から察するに、まだ他にも気になる点があるらしい。 「でも、この大きさだよ? お兄ちゃん。普通のお家でお泊りしても、ギュウギュウにはならないんじゃない?」 「ならないかもなぁ。ただ、一口にゲストっつってもピンキリだし。大きい家にベッドを増やしたとて、肝心の寝る人がいなくちゃな」 「あー……なるほどだね」  想像で断言するのはさすがに危ないので、ちょっと表現を濁してはみたが、お利口さんのミオには通じたようだ。  もしかしたら、ミオが最初に推測したとおり、家政婦さんの住居として貸し出されているのかも知れないし。 「ユニィ君、薄着だねー。袖のないシャツが好きなのかな?」 「な。ランニング、じゃなくて今はノースリーブだったっけ? タンクトップと何がどう違うのか分からないけど、とにかく袖がないのは確かだね」 「ねぇねぇ。このシャツ、ボクが着ても似合う?」  横目で尋ねてくるミオに、俺は大きく頷いて答えた。この子は既に、あらゆる袖なしシャツを着こなしては俺を魅了してきただけに、今それを聞くの? 感が半端ではない。  似合うしドキドキするんだよ。引かれちゃマズいから本人には言えないけれど、(わき)のあたりが特に。

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