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①:7 *微

 顔に付いた精液を必死に舐めとろうとしている真宵君を見下ろしながら、ボクは微笑んだ。 「真宵君、満足しちゃった?」  ボクの問い掛けに、真宵君が素早く顔を上げる。  ──その表情は、悲しげだ。 「そ、れは……そのっ」 「だって、一人で射精しちゃったし。出すもの出したなら、男としてはもう満足でしょ?」  視線を下ろすと、真宵君の愚息がまた、熱を持ち始めていた。  真宵君は、視線を泳がせている。ボクの顔を見上げたり、体育倉庫の中を見回していたり、ボクの下半身を見たり。……なんとも、忙しない。  勿論、乱暴なフェラをした後にボクたちがすることは決まっている。だから真宵君は、それを期待しているんだ。 「──またボクのお尻に挿れたいんだ?」  ボクが笑いながらそう言うと、真宵君の勃起した愚息が小さく震えた。……その震えは、素直に『期待している』と言っているように見える。 「男のボクで童貞捨てて、女の子を抱けなくなってさ。……あ~あ、可哀想」 「佐渡様以外の人に興奮だなんて、考えられません!」  キレイなモノを壊すのが大好きなボクは、清廉潔白に見える真宵君に目をつけた。初めて行為に及んだのも、この体育倉庫だ。  ボクのをムリヤリ咥えさせて、戸惑っているのになぜか興奮していた真宵君の童貞を。……ボクが、許可も取らずに奪った。  真宵君はたぶん、普通に女の子と恋をして、子供を作って、家庭を持てたはずだ。  ──けれど、こんなにキレイな真宵君を他の人が汚すのは面白くない。  ボクがぶち壊さないと気が済まないし、真宵君が他の人に傷付けられるのは、絶対イヤだ。  ……だからと言ってボクは、真宵君のことを恋愛的な意味で好きなわけじゃない。付き合いたいなんて思わないし、毎日一緒にいたいと思ったこともなかった。  それでも、真宵君が他の人と仲良くするのは面白くない。  真宵君が周りの人にとって付き合い辛い印象を持たれているのは、ボクがそうするように真宵君へ命じたから。  一年生の頃の真宵君は、少し真面目などこにでもいる普通の生徒だった。  けれど、真宵君が他の人と仲良くなるのが面白くないボクとしては、真宵君が孤立している方が良かったから、真宵君にはそう演じてもらっている。  真宵君には、拒否権が無い。なぜなら真宵君は、ボクを崇拝しているから。  真宵君はボクに虐げられることに、性的な悦びを感じるようになった。  ──真宵君を満足させられるのは、ボクしかいない。  真宵君が天涯孤独になるのならば、ボクのうっぷん晴らしに気が向いた時だけ付き合わせてあげる。  一見、ボクにしかメリットが無い関係に見えるでしょう? だけどね、真宵君にとってもメリットしかないんだよ。  ……不思議とね?

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