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第3話《1》
「おはよう、ルー」
最近の僕の朝はライアンさんの声から始まる。
「おはよう、ございます……」
ライアンさんの腕の中は温かくて、安心できて、毎朝起きるのに苦労してしまう。
「もう少し寝てるか?」
「……ううん、おき……る」
ライアンさんもお仕事あるから僕がいつまでもグズグズして迷惑かけないように。
「今日は俺も一日仕事が休みだ。明日にはまた仕事だから遠くまではいけないが、今日は城の外に行ってみないか?」
「ライアンさん、お休み?……でも、疲れてる……」
日中仕事でお城に行っていてもお昼には一度この宮殿に帰って一緒にランチをとってくれてまた仕事に戻って……ライアンさんが仕事でお城に行っている時はエリオットさんが側にいて気にかけてくれる。
かなりの仕事量で疲れていると思うから、お休みの日はゆっくり休んで欲しい。
「心配してくれるのか? ルーは優しい子だな。この外出は俺の気分転換も兼ねている」
「ライアンさんの気分転換?」
ライアンさんは先にいつもより動きやすそうな服に着替えて首を傾げている僕の着替えを手伝ってくれた。
ライアンさんは休みの日にふらっとライオンの姿になって走りに行ったり散歩の為にお城から出ることがあるみたい。
「身体も動かせて気分転換になるしルーにみせたい場所もある。王の所有地でもあるから他人に会う心配もない」
初めて太陽の下に行けたあの日から、毎日少しずつ中庭に出るようになったから外にでる怖さよりも知らない人に会う怖さの方が大きい。
その心配もなく、ライアンさんの負担にならないなら……
「行ってみたい……」
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