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第3話《6》
「きゅ……」
身体全体を包み込むように抱きしめられている。
ライアンさんの香りでいっぱい。
優しい撫でてくれる大きな手。
気持ちよくてライアンの胸に顔を擦り寄せると何だか顔に当たる感覚がいつもと違う。
「ルー、起きたのか?」
「きゅ? ……きゅっ!?」
優しく身体を持ち上げられて頬ずりされてから毛並みを整えられる。
どうやら寝ているうちにウサギに変わっていたみたいだ。
小さい子でもないのに、寝ている間に変わるなんて。
「……はずかしい」
人型に戻って脱げた服を着ようとするとライアンさんが手伝ってくれながら気にしていない様に笑っていた。
「今日は天気もいいし気持ちよく眠って本能的に獣体に変わったんだろう。俺も気持ちよくてライオンに変わりそうだったが起きたルーがびっくりするかと思って必死に我慢してたんだ」
「そう、なの?」
人前で変わっちゃうのは幼く見られるのかなと思ったけれど、ライアンさんが気にしないって言ってくれるなら。
「こんなに可愛くてふかふかの毛並みを抱き上げられるのは癒ししかない。帰ったらブラッシングさせてくれるか?」
「うん……僕もしてもいい?」
「俺のライオンの姿、怖くないか?」
瞳を見つめられて確認されて首を横に振る。
「初めてお店で見た時は怖かったけど、でもライアンさんってわかってるから怖くない……あと、太陽みたいに暖かそうな鬣……触ってみたい」
「太陽程温かくはないだろうが、ブラッシングしながら確かめてみればいい」
そう言うと嬉しそうに笑っていた。
この日から夜寝る前にお互いブラッシングすることが習慣になった。
僕が先にブラッシングしてもらうと気持ちよくてそのまま寝てしまって交代できないことが3日続いてしまって……先に僕がライアンさんのブラッシングしてから交代することも決まった。
それから、ライアンさんと出かけた日の夜。
ちょっとした事件?が起きた。
部屋に帰りシャワーを浴びようとお湯をかけると身体がヒリヒリと痛み出した。
びっくりしたのと痛いので思わず声を出してしまうとライアンさんが飛んできてくれた。
どうやら肌を出していた所が日に焼けて痛みがでてきたみたい。
今まで外に出られなかったから知らなかったけど肌が弱いようだからこれからは日焼け対策してから外に出るようにしようなと頭を撫でてくれながらお湯を調整してくれて優しく身体を洗ってくれた。
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