37 / 179
07※
ソファーの上、座るモルグの上に跨る。
脚を開いてゆっくりと腰を動かせば、ずらされた下着の下、剥き出しになった尻の谷間ににゅるりとモルグのものが当たる。
熱い。硬くて、脈まで伝わってきそうだ。
「っ、は、ぁ……ッ」
「あは、いい眺め〜。自分で入れれる?」
「わ、かんないです……っ」
恥ずかしさも一周回って訳がわからなくなっていた。まるで酩酊したような意識の中、先走りを塗付けらた肛門に「ここだよぉ、ここ」と親指をねじ込まれる。
「っ、ふ、ぅ」
「ここに僕のを挿入させるの。ほら、このまま腰を落としてみて〜?」
「っ、は、はひ……ッ」
支えててあげるから、とモルグにそのまま尻の輪郭を撫でられる。向かい合う形で、モルグの視線を感じながらもゆっくりと腰を落としていく。
柔らかく解された肛門に突き立てられたモルグ性器。それをなるべく意識しないよう、大きく股を開いた体勢のまま腰を下げていく度に柔らかく押し広げられていく感覚に脳髄からどろりとしたものが滲みだすのだ。奥歯を食いしばり、鼻から息を吐き出す。
「ふーッ、ん……ッ、ふ、……っうう……ッ」
亀頭部分が入ってくる。ゆっくりと狭い肉壁を押し広げ、拡張していくように内壁を摩擦しながらも入ってくるのだ。
粘膜を硬い性器が這うその感覚にビリビリと腰が痺れる。崩れ落ちそうになるのをモルグの腰を掴むことでなんとか耐えた。
「っ、ひ、ふ……」
亀頭部分が埋まり、息を深く吐く。そのときモルグが笑った。結合部伝えに伝わってくるその振動にぶるりと跳ね上がれば、モルグは更に笑うのだ。
「っ、は……すご、熱すぎでしょ君の中」
「っ、ご、ごめんなさ……」
「褒めてるんだよ」
伸びてきた手に胸を撫で上げられ、膝が震える。ずぷ、と自重で更に深く埋まる性器に大きく仰け反った。
「乳首触ると中締まるんだねえ、君」
「っ、も、るぐさ……ッ、ぉ、おれ……っ」
「……ほら、もう少しだよ。頑張れ頑張れ」
言いながら、こちらを覗き込んでくるモルグの口元には笑みが浮かんでいる。
ナハトのときとは違う、自分が動けるほど俺は慣れていない。これ以上動けば危険だと怖じ気づく反面、そのままでいることにも耐えられずに文字通り追い詰められる。
「っ、う、うぅ……〜〜」
「ん〜なになに、どうしたの? あは、そっかぁ。善家君には難しかったかな」
「っ、お、おれ……」
「じゃあ、少し僕が手伝ってあげるよ」
「おいで」と伸びてきたモルグの手に肩から二の腕のラインを撫でるようにそっと引っ張られる。瞬間、ぐぷ、と更に深くなる挿入。堪らず「モルグさんっ」と声をあげ、慌てて抜こうと腰を動かそうとしたとき、カリ部分が内壁を刳り、見悶える。
「も、モルグさん……ッ」
「ほらほら、あとちょっとだよ〜」
「っ、ひ、う……ッ!」
わざと腰を揺さぶられ、下からゆるく突き上げられるとその振動に耐えられず、バランスを崩した俺は目の前のモルグの体にしがみついた。その次の瞬間だった。
支えを失い、腹の奥深くまでモルグの性器に突き上げられる。開いた口から声をあげることもできなかった。モルグの腰の上、根本まで突き刺さった腹の中の性器に全身が痺れ、目の前が白くなっていく。そんな視界の隅、モルグは「あーあ」と笑った。
そして、モルグはそのまま上半身をゆっくりと起こし、そのまま動けないでいる俺の腰を撫でる。モルグに触れられた箇所からビリビリと痺れるような熱が広がり、息を飲んだ。
「ッ、ふ、ぅ゛……ッ!!」
「――ッ、あは、やっちゃったねえ〜」
「っ、ぅ、あ゛……ッ、モルグさ、動かないで……ッ!」
「ん〜……それはさあ無茶ってもんじゃない?」
逃げようと腰を浮かそうとするが、伸びてきたモルグの掌に尻の肉を包み込むように鷲掴まれる。そしてそのまま腰を無理矢理押さえつけられれば、腹の奥にモルグの性器、その先端部が中を突き上げてくるのだ。ぶわりと全身の毛穴が開き、汗が滲む。
「っ、ぅ、あ、やっ、ぁ……ッ! モルグさ……っ、ひ、ぅ……ッ!」
「は〜〜っ、やっぱナマだよねえ。生身の体も悪くないよねえ。どくどく脈打って、あは、すっごい締め付けてくる……ッ、生きてるって感じで最高だよぉ、善家君」
「っ、あ、ひっ、ぅ゛……ッ」
ゆるく、それでも弱いところを狙うように腰を動かされれば一人手に立つことも困難だった。
下から突き上げられる度に腰が痙攣し、勃起した性器が震えるのだ。顔を覗き込まれたまま、モルグは「ほら、君ももっと動いて〜」と促すように俺の腰を抱いてくる。
胡座を掻くモルグの上、そんなことできるわけないと首を何度も横に振る。モルグはそんな俺に気を悪くするわけでもなく、「甘えん坊さんだねえ」と喉を鳴らした。
「じゃあ、僕が動くよぉ」
「っ、ひ、ぅ、待っ、待って……くらは……っ」
「待たなあい」
「ひ、ぃ゛……っ!」
腰を掴まれ、持ち上げられたと思えばそのまま再度腰を落とされるのだ。先程よりもより鮮明になった恐ろしいほどの衝撃に堪らずのけぞれば、逃さないと言わんばかりにモルグは俺の腰を捉え、そのまま腰を動かし始めるのだ。
「っ、は、ぁ、……っ、あ゛っ、も、るぐさん……っ! ん、ひ……っ!」
「あ゛ー……っ、また熱くなってきた? いいよぉ、一緒に気持ちよくなろうねえ」
「っひ、に゛……っ、ぅ゛……っ!」
激しすぎない、それでも弱いところを執拗に先端の凹凸でねちねちと擦りあげられ、逃れようとすれば体ごと抱き締められ、そのまま突き上げられる。息を吐く暇もなかった。脳の奥まで犯されるような感覚に目の前が眩み、息が漏れる。
びくびくと痙攣する下腹部、膨れ上がる腹部を撫で、モルグは笑う。
「あは、もしかして息止めてる? だめだよぉ、ちゃんと息しないと」
「っ、は、……っ、ぁ゛……っ」
「ほら、口開けて」
言われるがまま口を開けば、覗き込むモルグに唇を重ねられる。ごく自然な動作で唇を塞いでくるモルグに何も考えることはできなかった。舌を絡め取られ、息を吹き込まれ、前歯の歯列をなぞられるのだ。
自分が何をされているのかもわからない。腹の中で更に膨れ上がる性器、ソレが動くだけで全身に甘い痺れが広がり、指先に力を入れることすらできなかった。
そんな俺を抱き締め、モルグが何かを言いかけた――そんな矢先だった。
部屋の中に来訪者を告げるインターホンが鳴り響く。
先程と同じだ。誰か来たのだろう。
朦朧とした意識の中。助かった、なんて麻痺しかけた頭の中で思いながらも「モルグひゃん、」と回らない呂律で名前を呼べば、モルグはちゅ、と俺の舌の先っぽを吸い、そして唇を舐める。一層強く腰を抱き竦められ、震えた。
「無視でいーよ、無視で」
「っ、で、も……っ」
「ってか、君もまさかこんな状況で出ていこうとしてるのぉ?」
もし緊急の用事だったら、と思うがモルグは「いいよいいよ」と言って俺を離そうとしない。それどころか、先程よりも強い力で下からごりごりと亀頭で奥を押し上げられ、汚い声が漏れてしまう。俯き、モルグにしがみつけばモルグはにやりと笑った。
「そーそー、そうやって僕に……」
そうモルグが何かを言いかけたと同時に、激しく扉を叩かれる。
『おいモルグ、そこにいるんだろテメェ!』
――ノクシャスだ。
俺宛ではなく目的はモルグらしい。壁や扉すらも突き抜けて聞こえてくるその怒声に驚き、モルグさん、と目を向ければモルグは「無視無視〜」と俺の胸を弄る。
そして再度扉を殴られたとき。あまりの力の強さに部屋全体がみしりと軋む。
「も、モルグさん……っ」
「……もー、空気読めないやつなんだから」
流石にこれ以上はこの部屋が壊されてしまう。そうモルグも危機感を覚えたらしい、かなり渋々、それでも一旦俺を解放したモルグ。
「悪いけど、善家君対応してくれない〜? 僕のことは疲れて眠ってるって言って追い払ってくれていいからさあ」
「え……っ?! お、俺が……?」
「うん、よろしくねえ〜。終わったらまた続きしようよ」
すっかり萎えてしまったらしい。そう、言いながらごろんとソファーに寝転がるモルグ。
こ、この人……。
言いたいことは色々あるが、中途半端にかき回され正直俺も他人事ではない。その間も「モルグ出てこい!ぶっ壊すぞこの板!」ってキレてるノクシャスに震えながらも、慌てて服を着直した俺は玄関へとよろよろと向かう。
そして、なんとか扉が壊される前に扉を開けることができた。
扉を開けば、目の前にはノクシャスがいた。相変わらず大きい男だ。見上げる位置にあるノクシャスの顔を見上げ、俺は自分におかしな様子がないか不安になりながらも取り敢えず「すみません、遅くなっちゃって」と謝罪する。
「あの、モルグさんは今……お休みになってるので、代わりに俺でもいいですか」
なんて、まだ掠れも治っていない声で尋ねれば、目の前、激昂していたノクシャスがそのまま硬直した。
ともだちにシェアしよう!