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第66話
「そうだ、足の怪我は? ほかにどこを怪我した? 全部見せて、……あっ」
首筋を吸われ、思わず甘い声が漏れた。じんと痺れるほどの快感に震える。
「こんな怪我何でもない。それよりも衛さんを抱きたい」
「……んっ」
キスをするたび、幸福な何かがあふれるように日下の胸を満たす。どこからか甘い花の香りがした。花は蜜を滴らせ、部屋中を香りで満たす。何度キスをしてもし足りなかった。それは徹も同じようだった。
「衛さん」
口づけを交わし、相手の肌に触れる。体温が上昇し、身体がしっとりと汗ばんでいく。鼓動が速くなる。くらくらするような幸福感に包まれる。
「あ……んっ」
そのとき、日下の身体に触れていた徹の指が、胸のあたりをかすめた。胸は日下の性感帯だ。ぷくりと勃ち上がった乳首が、刺激を求めてずきずきと疼く。日下はごくりと唾を飲んだ。その反応に、徹が気がつく。
「ここ? 衛さん、ここが感じるの?」
「感じる。感じるから触って……、あんっ、あぁ……っ」
きつく乳首を吸われ、日下はびくんと背中を反らした。ねっとりとした舌が包み込むように乳輪を愛撫し、一番敏感になった先端を徹がカリッと甘噛みした。
「あっ、あ、あぁ……ッ」
びくびくっと身体を震わせ、徹の首にしがみついて快感に堪える日下を、徹がじっと見た。
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