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第4話
縦割れのそこが、ヒクヒクと物欲しげに蠢 いている。
慎ましさと淫靡さが同居したような媚肉の色に、花隈の興奮も高まった。
「ゴシゴシされたいんですか?」
尋ねながら、指を奥さんの口元へ持って行くと、唇の方が近づいてきて花隈の人差し指と中指にしゃぶりついた。
「ふぁい……なか、こすってほしいれす」
もごもごと不明瞭な音でそう答えて、奥さんが舌で根本から指先までを舐め上げた。
やわらかで器用な舌を指で挟んで愛撫してやると、奥さんの腰がひくんと揺れる。
唾液をたっぷりと絡めてから、花隈は指を口腔から引き抜き、濡れた指の腹で後孔を撫でた。
期待を表してか、ひだが花隈の指を歓迎するようにほころんだ。
つぷり、と中指を挿入すると、熱く狭いそこがぎゅうっと引き絞る動きを見せた。花隈は女の膣を弄るように、そうっと手を動かした。
花隈が脱童貞を果たした記念すべき日、AVで得た知識のままに彼女の性器をぐちゅぐちゅと高速で手マンしたら、痛い下手くそもっと丁寧にしろ、とボロカスに怒られたのが軽いトラウマで、以降はそろそろと動かすようにしているのだった。
奥さんが腰を捻って、花隈を振り向いた。
「花熊さん……もっと、乱暴にしてください」
「奥さん……」
「早く、中に欲しいです。思いきり奥を、突かれたい……」
「奥さんっ!」
花隈はさほど馴らしていない孔から指を抜いて、衝動のままに勃起したそれを、ずぷりと突き入れた。
「ああ~っ!」
奥さんの背中が卑猥に反らされた。
彼の唇から零れる悲鳴は甘い。容赦のない挿入だったのに、感じているのだ。
一気に最奥部まで侵入を果たした花隈の陰茎に、奥さんのそこが絡みついてくる。すごい。やわらかいのに、キツキツだ。
しかも先端が吸われたみたいになって、めちゃくちゃに気持ちいい。なんという名器。
ずちゅっ、ずちゅっ、と花隈は腰をピストンさせた。
ゴムなしで挿れてしまった、と一瞬気になったが、奥さんの肉筒が気持ち良すぎてすぐに思考が散漫になる。
バックから奥さんのウエストを掴んでガン掘りすると、その度に、
「あっ、あっ、あっ、あっ」
と切れ切れの嬌声が聞こえてきてたまらない気分になった。
花隈はばちゅっ! と殊更深くまで男根を埋めた。
「ひっ……っあ、あ、あ」
ビクビクビクっと中が痙攣した。イったのだろうか。しかし奥さんは射精していない。男でも中イきするのだろうか?
同性を抱くのは初めてで、勝手がわからないながらに花隈は、最奥部に居座ったままで奥さんの体を抱きしめた。
手を前でクロスさせるようにして回し、タンクトップ越しに奥さんの胸をまさぐる。
先ほど自分が放った白濁がぬるぬると服の中で広がるのがわかった。
花隈は精液を塗 すようにして、探り当てた乳首を生地ごと摘まんだ。こり、こり、と刺激してやるとその動きに呼応して後ろが締まる。
「あっ、ああっ、だ、だめっ、そこ、弱いからっ」
「乳首、気持ちいいんですか」
「あっ、さわられると、す、すぐイっちゃう」
「乳首イキできるんですか、奥さん。胸もやわらかいですね。女みたいだ」
「あっ、あんっ、しゅ、主人が、いつも触るから……」
奥さんのその言葉で、そうだ、自分はいま人妻を抱いているんだ、ということを花隈は強く意識した。
平日の昼下がり、仕事で訪れた他人様 の家のリビングで、他人の妻を抱いている。
なんという背徳。
内心の興奮を如実に反映して、花隈の下半身に熱が溜まった。
むくり、とさらに膨らんだそれに、奥さんが狼狽したように腰を揺らす。
花隈は奥さんを羽交い締めにしたまま右の乳首を爪先でカリカリと引っかき、左の乳首を摘まんで引っ張った。
「ああっ、あっ、だめっ、イくっ、イくっ」
胸への愛撫に耐え切れなかったのか、奥さんが宣言通り乳首イキをした。
肉襞が激しく蠢き、花隈の牡を締め付けた。
花隈は息を呑んでその強烈な刺激に耐えた。
ビクっ、ビクっ、と奥さんの体が断続的な痙攣を見せている。
花隈は奥さんの股間に手を持って行きそこを確認したけれど、やはり射精はしていなかった。
「奥さん、ザーメン出ないんですか?」
花隈が不思議に思って問いかけると、呼気を乱したままの奥さんがこちらを振り向き、恥じらうように頬を赤らめた。
「中に……」
「え?」
「中出し、されないと……出せないんです。だから……」
奥さんがいやらしい動きで結合部をキュンと締めて。
「オレの中に、かけてくれませんか」
と、花隈を誘ってきた。
中出しされないと射精できない?
なんだそのエロ設定は。
花隈はけしからん人妻の中から一旦猛った肉棒を引き抜いた。
「あっ、なんで……」
喪失感に声を漏らした奥さんの肩を掴んで、花隈は強引に体の向きを変えさせた。
ソファ横の壁に奥さんの背を押し付け、向かい合った姿勢で奥さんの左足を抱える。
膝裏に手を差し込み、膝が胸につくまで折り曲げると、奥さんの膨らんだ股間とさっきまで花隈を咥えこんでいた後孔が露わになった。
「奥さん、体柔らかいですね」
切っ先を窄まりに当てながら花隈は柔軟性のある奥さんの太ももを撫でた。
「は、はい、主人と、ジムに……」
「これならいけるかな」
「え?」
「奥さん、俺の首に手を回して。そう」
花隈が促すと、奥さんの両腕が首の後ろに回った。奥さんに抱きしめられるような体勢で、花隈はまた砲身を奥さんの中に埋めていった。
「あ、あ、あ……」
花隈の牡を難なく飲み込むくせに、孔はキツイままである。
「奥さん、俺の筋肉、堪能してくださいね」
花隈は挿入の刺激に眉を寄せて耐えている奥さんへとそう告げて。
彼の体の支柱となっていた右足も掬った。
「えっ? うわっ、あっ、あああっ」
奥さんの体が浮き上がる。
花隈は奥さんの背を預けている壁を上手く利用しながら、奥さんの両足が花隈の肩に掛かるように体勢を整えた。
普段重量のあるものを抱えることで鍛えられた筋肉が、このときは遺憾なく発揮され、奥さんの決して小柄ではない肢体は花隈によって宙に浮いた状態となる。
唯一重心のかかる場所はと言えば、結合部だけだ。
いわゆる、駅弁スタイル、と呼ばれる体位をとった花隈は、ゆさっと奥さんの腰を揺らした。
「ひぃっ、あっ、ああっ、ああああっ」
ゆさっ、ゆさっ。
体が前後に揺れる度にずぷり、ずぷりと肉棒が出入りする。
奥さんは花隈にぶら下がるので必死なので、自重で深い部分まで受け入れるしか術はなく、奥の奥まで貫かれて甲高い嬌声を放った。
逃げようにも快感を逃がす場所はない。
花隈は全身の筋肉を躍動させ、奥さんを責め立てた。
エアコンのよく効いた室内で、汗をかきながら互いの肉体をぶつける。
ぬぷっ、ばちゅっ、ぬちゅっ、と揺れる度に淫猥な音が上がった。
「ああっ、あ~っ、だめっ、イくっ、あっ、ああああっ」
「奥さん、どうですかっ?」
息を弾ませながら、花隈はがむしゃらに奥さんを揺り動かし、自身も腰を前へと突き出した。
「ああっ、イイっ、イイですっ、あっ、あっ、あああ~っ」
ビクンっ、と奥さんの体が跳ねた。
のけぞった奥さんの足が肩からずり落ちてしまわないように気を付けながら、花隈はなお奥さんを貫いた。
「あっ、だめっ、イってるっ、イってるからっ、あっ、あっ、あああああっ」
うねうねと痙攣する媚肉を掻き分けて、花隈は蕩けそうになる陰茎を奥さんの中でこすりたてた。
睾丸がせり上がり、射精準備に入る。
限界まで張り詰めたそれを、思いきり突き入れ、奥の奥で発射させた。
「あっ、ああっ、出てる……っ、あっ、イくっ、イくぅっ」
腹の内側で花隈の射精を受け止めた奥さんが、ひと際大きく背をしならせ、腰をガクガクと揺らした。
ふと見れば、奥さんの陰部を覆っていた布切れのようなパンツから、白濁がぴゅるっっと漏れていた。
中出しされてイくというのは本当だったのだ、と花隈は感動に近い思いを抱きながら、ぐったりと脱力した奥さんを、壊れ物を運ぶよりもそうっと、ソファへ下ろしたのだった。
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