25 / 30
第二十五話 愁の幸せは「葵の幸せ」、葵の幸せは「愁が欲しい」ということである。⑤
葵はねっとりと唇を押し付けたまま、食べるみたいに口を動かしている。頭が芯からとろかされるような、うっとりとする未知の悦びに、愁も眼を細め、
「ン……ンッ…………♡ 」
葵を真似て同じように口を動かし、互いに食べ合うみたいにして、唇を味わいあう。
「ハ……ァ……すきぃ……♡ ちゅ……好き……愁くん……♡ 」
「ッ……俺らって……好き……です……♡ 」
首にまわされた腕から、波がひくように力が抜けてゆっくりと顔は離れても少しの間二人は、見つめあい、
「ンッ……僕のほう……♡ 」
「そんな……俺のほうが…………」
睦みあい、
「ンフッ……♡ 」
「ふ……ぇ……ッ……」
葵は喋りながら、口付けの余韻が鐘の音のように残って隙だらけの愁に綺麗な顔を近づけ、
れろぉ……ッ♡
「ンンッ……!? 」
そのまま唇をぐるりと舌でなぞり、愁の意識が口元に集中したところでぬらりと熱い舌を入れ込んでくる。無防備な唇は、ごくあっさりとこじ開けられ、探しあてられた愁の舌は舌で絡めとられ、
ちゅ……ちゅく……れりゅ……♡
「ふッ……んッ……ん……」
濃厚で口中が性感帯になったかのような甘い
快感に愁はたまらなくなって、葵の背中に手を回し、
「はッ……あッ……あおいさん……ッ……キス……
エッチぃ……過ぎ……れす……」
「ハァッ……ハッ……フフッ♪ うん……僕は、
愁くんが大好きだから……ハァ……愁くんだから、エッチになっちゃうんだ……♡ 」
「ッ……だったら……俺だって……ンッ……」
美貌をにんまりと歪める葵の唇を塞ぎ、一生懸命に葵を真似、伸ばした舌は、
「ンフ……ッ♡ ン……♡ 」
まだ拙く、すぐさま葵の甘い舌に絡みつかれ、赤子の手をひねるよう軽く羽交い締められ、
ちろゅ……♡ れりゅ……♡ ぴちゅ……♡
れろッ……れろぉ……♡
愁は鼻から荒く息を吐いて、ただこの快感を脳をフルに使って必死にこぼれないよう、受け止めるので精一杯だった。
「ぷは……ぁ……」
いやらしくかき回し、優しくとろけるような口付けは、甘い唾液を飲み下し、ぬらついた舌の感触を、夢見心地に味わう葵の息が切れるまで続き、
やがてゆっくりと唇が離れ、
「ハッ、ハァ……ハ……ァ……」
熱くやわらかい感触の名残惜しさに、愁の口からはひとりでに吐息が洩れ、
「ハァ……♡ ハァ……今朝の、続き……愁くんと……こんなキス……したくて……♡ 」
漆のように黒いポニーテールが揺れるたび花べんのようにこぼれ落ちる甘い香り、
「ぁ……朝も、……これ……しようと……してたんれすか……? 」
「うん……♡」
とろりと柔らかい感触の唇、大きく濡れたように見える瞳も、
「ッ……困る……困ります……こんなの……」
「ぁうッ!? ご、ごめ……そ、そんなに……
イヤ……だったなら……」
流し込まれた甘露のような唾液に、少しだけ混じるほろ苦い煙草の香りすら魅力的で、それらを含めた全部が、じわじわと脳内を白く眩しくさせ、どうしようもなく甘美で幸福な快感に愁の心を
支配し、
「違いますょ……」
「ぁ……ン……」
そう言って当惑に眉根を寄せる葵の、汗でしっとりとした頬に触れ、
「こんなの……したら……朝から……葵さんのことしか、考えられなくなってしまいます……」
背中に回した腕でギュッと抱き寄せ全身で感じるその柔らかさと温もりと、唇同士が触れるか触れないかの距離で、
「仕事……絶対、ミスしちゃいます……」
「はッ……はぅ……♡ そ、そこまでは……考えてなかった……ごめ……ンぁッ……♡ 」
「ですので……その分……今、いっぱい……いっぱいさせてください……」
葵の洩らす熱っぽい吐息に酔って、興奮はどんどん高まり、眼の前の輪郭の整った女のような
美青年は、じんわりと笑みを浮かべ、
「ぅ……うんッ……♡♡♡ 」
気持ち良さそうに目蓋を閉じる。綺麗な歯の間から僅かに見える桃色の舌の先は何とも扇情的で、
「かわいぃ、すぎです…………ンッ……♡ 」
「ちゅ……ん……ひゅぅく……♡ ンンッ……♡ 」
愁はおもむくままに唇を重ね、やさしく尖らせた舌先を葵の口へ差し込むと、迎える舌が柔らかく絡みついてきて、
にゅぐ……にゅ……れろ……ちゅく……
二人の唾液も水飴のよう、練れば練るだけ粘りを増し甘ったるくなり、奏でる水音も段々と淫らに重くなって、
ちゅりゅ……ちゅ……ちゅぷ……ねりゅ……
葵の指が愁の背中を這い、鍛えられた身体の形を確認するように手のひらで撫でる、
「ぷぁ……ぁ……ひゅうくッ……はっ……ンッ♡ 」
「ンッ……ッ……」
服越しに触れられただけで感じる、ゾクリとするほど甘美な心地よさを、愁も葵に感じて欲しく、
腰から背骨にそってなぞるようにゆっくり
手のひらを這わせ、
「ハッ……ァ……♡ ンアッ……♡ 」
押し付けながら指を曲げ伸ばししたり、半円を
描いたりするたび、
「ァ……ンンッ……♡ ハ……アッ……♡ 」
指先に感じる温もりと柔らかさを、もっと堪能したく、部屋に響き渡る葵の甘声に邪魔されないよう耳元の髪を除け、息をフッと吹き掛けるみたいに、
「葵さん、からだ……直にさわっても……? 」
囁く。
「ひゃぅ……!? 」
こそばゆかったらしく身震いし、自分の言おうとする事におびえたように、
「ぇ……えと……」
葵は躊躇した。が、すぐ早口で続け、
「ぃ、いいよッ! 君になら……愁くんにならっ……」
貰えた返事に愁の鼓動は高鳴る。他人のネクタイを外すのは初めてで、緊張も相まって指先がおぼつかない、鏡を見るように窮屈そうなネクタイをなんとか緩め、シュル……と引き抜こうとしたその手を、
「ぁ……ぃ、いいんだけど……前に一度見せてるし……けど……一応……ねっ……」
「え……」
葵の両手にギュッと掴まれ、止められる。
「ぁにょ……僕の……見ても、その……嫌いにならないで……もし……ぃ……」
微かな不安の色が葵の表情に浮かんだ、
「ンッ……」
が、愁は言葉を遮るようにチュ……と軽く口付け葵の手をやさしくソッと包み返し、心細げに潤む瞳を真っ直ぐに見詰めて、
「大丈夫です……嫌いになるなんて、絶対にありえませんから……」
当然という自信を言葉に込めて告げ、自分の胸の中にある緊張など振り切って、安心させようと、にっこり微笑む。
「はぐッ……♡ 」
愁自身でもわかってしまうくらい笑顔も声も
普段より硬かった。それでも愁から無意識に
かもしだされる、やさしさの鮮やかな光のようなものは変わらず、その魅力を向けられた葵は瞬きの一つもせず、
「ぅ……うん……♡ 」
うっとりと表情も和らいで、愁に握られたままの手をワイシャツの第一ボタンへと導き、自らの腕は身体の横へ棒のようにゆっくりと下げ、
「愁くん……ぉ願い……」
「はい……」
互いにコクリと頷きあい、愁は葵のワイシャツのボタンに指をかけた。
一つボタンがはずれるたびシャツははだけ、照明に照らされ露わになっていく透き通るような白肌には、
「っ…………」
過去にどんな無慈悲な行為をされたのか示すような、決して浅くない傷痕が至る所に刻まれていて、
「ッ……ど、どう……? ぁ……やっぱり、
こんな身体じゃ……」
愁は思わず息を呑み込んで、凝視する。
「しゅ……愁くん……? 」
「ッ……す、すいませッ……あまりにキレイで……」
「ほぇッ……? 」
「お人形さんみたいに白くて……さらさらで……」
褒められるたび頬を赤らめ、きょろきょろと自分の身体を見回す葵、
「ぅ、うそ……そんなわけ……あっ……」
その美貌で、この愛くるしさというのは反則であり、愁にとって傷痕なんて嫌いになる理由にはならず、そのキメの柔らかい肌に触れ、
「本当です……ほどよい肉づきで……とっても……」
「ふぇッ……!!? 」
どの褒め言葉が相応しいのか、選ぶのに苦心しながら、ぷに……と脇のあたりを指先で押す、
「ぇと……マショマロみたいに……じゃなくて……
なんて言うか……ずっとさわっていたいくらい……」
「わぁッ!!? も……もぉッ!! 」
「むぶッ!? 」
瞬間、グイッと顔を抱き寄せられ、ぷにん……♡と、柔らかな胸板で強制的に唇を塞がれた。
「ぁ、あんまり……恥ずかしいこと言わないでょっ……最近……ちょっぴりだけ……体重が……」
「プハッ……ら、らって……さわり心地もッ……柔らか……ふわとろで……」
「な……なんだょ……その……オムレツみたいな……あッ♡ 表げッ……んんッ……」
恥じらいにしっとりと濡れる白肌は、搾りたての牛乳にシロップをまぜたような香りで、
「それに……甘くて、凄くいいニオイで……
いま……ちょっとだけ……しあわせ……♪ 」
「はぅッ!? やッ……ちょっ!? ぁ……
くんくんしちゃッ……」
甘く、愁は子犬のように鼻をすんすんとさせ、
喋り、やさしい尖りをもった胸の先端に息が吹きかかるたび、葵は微かに眉根を寄せ声を洩らし、
「痕なんか、気になりませんよ……」
「やッ……ぁ……うそ……ぃ……んぁッ……♡ 」
「それに、ほら……ここだって……ぷっくりしてきて、可愛い飴みたいで……とっても美味しそぅ……♡ 」
白桃色の乳頭から香る、一際甘い匂いに我慢出来ず、パクッ……♡
「あっ……♡ ンンッ……こりゃ……ぁ……舐めちゃ……ぁあんッ……♡♡ 」
愁は唇で咥え、ざらざらの舌先でチロチロと舐め、
「ひッ……い゛ィ……♡ 愁きゅッ……吸っちゃ……ぁう゛……あっ……♡ あっ♡ あぁッ……♡ 」
ちゅう……ぢゅ……ちゅぅぅ……
無邪気な赤ん坊のように吸い、葵は吸われるたび背中をのけ反らせ、甘ったるい声で喘ぎ悶える。
「ちゅ……気持ひぃ……れすか……? 」
「良すゅぎりゅ……の……ッ……」
「嬉し……♡ 俺……初めてだから、あってるか……自信なくて……」
「はぅう……愁く……かたっぽばっかぁ……刺激しちゃ……」
「ぁ……すいません……甘いの夢中で……気付かなくて……」
「はぅッ……!? ぉ、男のお乳が甘いわけッッ……というか、そんな……ぁ……あ゛ッ……♡ 」
愁はもう片方の乳首を、「放っておいてごめんなさい……」そんな気持ちを込めて、舌先でチロと先端を舐め、口に含み、丹念に愛撫し、吸い、
「ンチュ……こっちも……甘ぃ……♡ 」
「ゃ……あ゛ァァァッ……♡ あッ……あ゛ッ……」
さっきまで舌で愛撫し、てらてらと艶らしい乳首も忘れず指先に捉え、すりすりと擽ぐり愛情を
注ぐ。
「ひゃう゛ぅ……♡ だめッ……♡ だめぇっ……♡ こんにゃ……あ゛ぁ……んん゛ッッ……♡ 」
ぢゅる……ちゅうぅぅ……
やわらかい舌で、やさしい指先で、丁寧に愛され、甘い疼きが胸の先端から全身を稲妻のように駆け抜け、
「やぁあ゛ァぁ……♡ もうらめ゛ぇぇ……♡♡ァ……愁きゅ……♡ 愁くッッ……」
後から押し寄せてくる波のような快楽に葵は身体を捩らせ、愁の太ももの上から落ちそうになって、
「ンッ……らめれすょ……あぶないれす……」
「ほぁあ゛ァぁッ……!?♡♡ 」
しっかりと抱擁され、逃げ場のなくなった快楽は葵のお腹の下の方へと流れ溜まっていく……
「んふっ……♪ ほんろに、気持ちぃみたいれ……良かったれす……♡ 」
葵の乳頭から媚薬でも出ているのか疑いたくなるほど、愁は吸うたび、まなこを、とろん……♡ とさせ愛撫を続け……
ちゅるる……♡ ちゅ……♡ ぢゅぅうう……♡♡
「や゛ッ……♡ おちちぃ……♡ あッ♡ あ゛ッ♡ おちちらけでぇぇ……イ゛ッ…………♡ 」
月に吠える狼のように天井を見上げ嬌声で鳴いた葵は愁に抱擁されたままビクッ……ビクッ……と
何度か小刻みに痙攣し、快楽の高みへと駆け上がっていく。
「たぁッ……ハッ……♡ ハッ……ハァ……あ゛ぐッ……♡ 」
吐息を荒げ、身体が溶けたようになって愁にもたれ掛かり、
「はッ……ぁ……ご、ごめんなさいッ……」
「ハァッ……♡ ァン……ァ……ハァ……ッ♡
フゥーッ……♡ 」
余韻に何度かの身震いをする葵、愁はそんな葵が心配になって我に返り、抱き留めながらやさしく背中をさすってあげる、
「だ、大丈夫ですか……? 俺……つい夢中になってしまって……なにか間違えて……」
すると葵は愁の肩に顎をのせ、
「ハァ……♡ もぅ……愁くんのせいで……僕……
だめぇ……」
耳元に囁きながら腰だけを浮かせ、自分を締め付けるベルトをカチャカチャと雑にはずし始め、
「ひゃ!? ァ……葵さ……耳……ンッ……くすぐったぃ……」
「ん……もぉ……一々……可愛すぎりゅ……♡
がまん……ハァ……出来ないょ……ハァ♡ 愁くんのせいで……愁くんが、こんなに……気持ちよくするしッ……」
愁の太ももの上で器用に、少し乱暴にスラックスを脱ぎ、床に蹴るみたいにして捨て、
「ぁう……ぁ……の俺のおヘソに……葵さんの……」
「愁くんだって……お尻に……さっきから……
ハァ……♡ 」
露出される下半身、薄く白い布地の下着は前面を愛液で濡らし張り付いて、一度達したくらいでは収まらない葵の興奮を淫靡に誇張させている。
「ふ……ァ……やッ……葵さ……ん゛ッ……そこ……ぉ……そんな……お尻で……ぁ……ぅ……」
生まれたての小鹿が初めて立ち上がるように
ゆるりと顔を上げた葵は、耳まで真っ赤にして恥じらう愁に嫣然と笑みを浮かべながら、
「ンフッ……♡ おかえし……♡ こういうの……気持ちぃでしょ……♡♡ 愁くんの、おちんちん……痛そうなくらい大きくなってる……♡ 」
隆々と盛っている雄芯に、男としては大きく滑らかに広いむちむちのお尻を押しつけ、ギッシギッシとソファを軋ませながら、絶妙な振動で擦りつける。
「やッ……ぁ……こ、これはぁ……ァ、葵さんが……色っぽい……からで……」
「お世辞でも……ン……♡ 嬉し……ィ……アッ……♡ 」
「お世辞なんかじゃ……ハァ……ないっ……ですッ……葵しゃ……の声も、匂いも……感触も……
ぬくもりだって……全部……全部、俺を興奮させるから……」
「ブフッ……!!?♡♡♡ 」
初な少年には耐えようのない、葵の性的な動きは、快楽の刺激に身悶える愁の滴るほどに潤わせた上目がちな瞳と、鼻から口に漏れだすような声の可愛い言葉に反応し、ピタッ……と止まり、
「ハァ……ぁ……れ……? 葵さん……鼻から……」
「ふぁ!? ハッ……き、気にしないれッ……
ちょっぴ興奮し過ぎちゃって……そ、それより……♡ 」
鼻からポタッと一滴、愁の白いワイシャツに赤い水玉を描く葵の瞳には既に性的な期待が渦を巻いていて、
「これ以上汚しちゃらめだから……♡ 脱いじゃおっか……♡ 」
「わッ……!? 」
百合の花にも似た清い美青年、そんな普段の印象と現在のギャップに圧倒され、愁はされるが
ままネクタイは既に床に落ちて、ボタンは引きちぎるほどの勢いで脱がされ、
「ゃ、やっぱり俺……何か怒らせるようなことしちゃいましたか……? 」
剥かれ露出する、ほどよく鍛えられた蜜色の
素肌。
「全ッ然、そんなことなぃ……ハァァ……♡
それよりも……愁くん……身体も、カッコ良いんだ……♡ 」
恋人の肌をじっくりと眺めながら、悩ましげな
ため息を洩らす葵の口元に浮かぶ、あまりにも
美しく、あまりに妖艶な笑みに愁も惹きつけられた、
「てッ……照れますよ……そん……な……
ぁ……ッ」
途端、やわらかな手のひらが愁の首筋に触れ、
静脈をなぞり鎖骨を飛び越え、筋肉の動きを確かめるように優しく身体を下へ下へと這っていき、
「肌も綺麗でスベスベ……♡ もっと……見せてほしいな……♡ 」
「ひゃ……!? ぁ……」
腰まできて、ベルトを引っ張られたと愁が意識した時にはすでに美錠も穴から抜いて、
「やッ……ァ……」
スラックスのホックをプチッと慣れた手つきで外す、今まで覆いかぶさるみたいにして愁の上にいた葵はペタンと床に、両脚の間にひれ伏すように座り、
「ねッ……腰……上げて……♡ 」
「ぁ……そ、それは……まだこころの……」
「だめぇ……? 」
ちょっと甘えるように首をかしげる。
世界で一番美人と思っている葵の、そんな可愛い仕草を見せられれば、どんなに恥ずかしい願いであれ拒否など出来るはずもなく、
「だ……だめ、じゃなぃ……です……」
愁は眼を細め、頬を真っ赤にしながら頷き、
ソファに沈んでいた腰を弓のようにゆっくりと反らせ、
「ありがと……♡ 」
「あッ……ぁ……」
肌とスラックスの間に出来た隙間に葵の指先が侵入したかと思うと、スラックスは下着と共に、
シュポン……と音がしそうな勢いで、一気に脚から引き抜かれ、脱がされた。
「わぁ……♡♡ 」
むっちりとしたお尻にこすられ与えられた甘い
刺激に、熱った雄芯が窮屈になった下着の中から外気へと晒された瞬間ビクンと跳ねる。
「やッ……ぁ……あの……」
愁自身でも信じられないほど大きくなった雄芯の根元、生えそろったばかりの陰毛から、湯上がりのように蒸れた男の子の匂いが濃厚に立ち上がり、
「ぁ……あッ……汗の匂いとか……ン……するかもですから……ぁ……あまり……ィ……」
「そ、そんなこと……ないよ……♡ とっても……」
葵はくらくらとそこへ、引っ張られるように鼻を寄せ埋まり、くんくんと嗅ぐ。
「エッチィな……匂い……♡ 」
「ぁうう……そんな……まじまじと……んっ……嗅がないで……くださ……」
「すん……すんッ……ハァァ……無理だょ……♡
それに……こんな、大きいなんて……♡ 」
「さすがに……恥ずかし……です……ッ……ぁ……」
香りを堪能しながら、やわらかな手のひらで天井に向く雄芯をやさしく包み、上下にさする。
「は……あッ……ぁ……ンッ……」
恋人に全てを見られながら嗅がれ触られる恥ずかしさと、与えられる未体験の快感に身体中が燃えるように居た堪れず、愁はソファーカバーを
力一杯握りしめ、葵の淫らな指先から注がれる
快楽の奔流にただ耐える。
「ハァ……熱ぃ……♡ 僕で……こんなになってくれて……ハァ……♡ 両手でも……ちょっと足りなぃかも……♡ これ、挿入 れられたら……♡ 」
葵は独り言のように言いながら、うっとりと愛おしそうに根元から先端まで、余すところなく絶妙な力加減でシゴき上げ、
「ハァ……ァ……ハァ……ンンッ……あ……ッッ」
シゴかれるたび、葵の鼻息が張りつめた陰囊に当たるたび、気持ちの良い痺れが鈴口から透明な
愛液となって込み上げてくる。
にちゅ……にゅちゅ……くちゅ……
「どう……気持ちぃ……愁くん……?♡ 」
くにゅ……にっちゅ……ねちゅ……
「ハァ……ハ……ッ……♡ くしゅぐったいのに……
からだ……熱くて……ンッ……♡ こんなの……ッ……知らなッ……知らな……ぃ……ですッ……ハァ……♡ 」
「ぁは……♡ それって……気持ちいいってことだょ……♡ 」
愁の感想に、股の間から顔を上げた葵の口元は笑み、愛液で濡れた右手を雄芯から離し、
「ンっ……♡ 」
「ハァ……あッ……!? 」
黒髪を耳元で押えながら雄芯、陰茎の裏筋に垂れる愛液を、棒アイスを舐めるみたいにして、
ぬろぉぉッ……♡
根元から舌全体を使ってすくい上げ、
「ゃ……汚ぃ……からッ……ァ……舐めちゃ……ッ」
「ちゅぱ……愁くんに、汚いとこなんて……ないょ……♡ はむっ♡ 」
ぱんぱんに張りつめ真っ赤になった亀頭を躊躇
なくパクッ♡ と口に咥え、「もっと気持ちよくなって……♡ 」と言わんばかりに舌先で鈴口をつつき、
「ンッ……♡ 」
じゅるっ……♡
「う゛あ゛ッ…………ぁ……♡ ァ……あッ……はぁッ……ゃ……あッ……♡ 」
「ふっ……♡ んっ……♡ 」
じゅぷ……♡ ちゅるッ……♡
涎まみれにしてカリ首だけをねぶるように、
ニュポッ♡ ニュポッ♡ ニュポッ……♡
ゆっくり何度も、何度も長いポニーテールを振りながら、口腔で愁の雄芯を愛撫する。
ぢゅりゅッ……♡ じゅるっ……♡
「あぁッ……んァ……ら……だめ……れす……ッ……
ぁ、あおぃ……さ……ッッ♡ 」
「ンフッ……♡ フーッ♡♡ 」
ちゅぷッ……ぢゅぷッ……♡ れろッ……♡
じゅぽッ……♡ じゅぽッ……♡
愁が名前を呼んでも葵は愁を見上げ、眼元で笑っただけで口の愛撫は停まらず、ソファから起き上がり停めようとするが、
「ふっ……ッ……ンン゛ッ……♡ 」
腰の痺れが身体の中に広まって、その甘ったるさに、いくつかパーツが溶けてしまったかのように腕にも脚にも力が入らず、
「ハァッ……ァ……い゛……ッ……」
じゅぷッ……♡ ぢゅりゅッ……♡
葵が顔を上下に揺らすたび、雄芯の最奥で前立腺は収縮し、これまで味わったことがない太い快感が……
「ぷあぁ……♡ 」
「ッ……はぁッ……はぁッ……」
吐き出される直前に、葵は亀頭から銀色の糸を引いて口を離し、
「ハァッ……ハァ……♡ まだ……らしちゃだめ……♡ 」
「はぁ……は……」
「ンッ……」
愁の両脚を掴んで、牝鹿めじかのように立ち上が
り、汗で艶めく白肌に張り付くワイシャツを脱ぎ捨てた。
白い綿生地に印刷された青く小さな星柄達が、葵のお尻の大きさに負け、横に伸びている、頂点の寸前でお預けされた今の愁にはそれすら扇情的で目蓋が自然と大きく開いていく、
「ん……しょ……」
星柄は、そこから延びる脚を通って、しめりに引っ張られながらも床に降ろされ、露出される周囲の白肌より深い色が、美しく上にはりきっていて、自分の意識とは無関係に見入ってしまう。
「もぉ……見すぎ……」
「ぁう……ごめんなさい……」
さり気なく注意されているうちに、傷痕など問題にならない艶やかで白くむっちりとした太ももが、ギシッ……とソファを鳴らし、愁に跨がる、
「ふふっ……♪ せっかく……初めてなら、もっと気持ちぃとこのが良いかなって……♡ 」
二人は互いに向かい合い、
「ぁ……の、葵さんッ……」
「ん……? 」
抱き合い、
「ぁの……これ以上、進む前に……これだけは、伝えておかなきゃって思って……」
「なに……?」
愁は快楽に緩んでしまった顔をキッ、と帯を締めるみたいに引き締め、きょとんとする葵の綺麗な瞳を見詰め、
「俺、葵さんを……ずっと、ずーっと、大切にしますからッ! 」
「ッッッ……!? 」
真剣に言い切って、
「これだけ……これだけなんですけど、大事な
こと、と思いまして……」
締めたはずの帯は一気に緩み、火のような火照り顔になってはにかむ。
「ぁ、はは……子供っぽい……ですよね……他に
カッコいい言葉とか、気の利いたこと……思いつかなくて……」
「ッッ……♡♡♡ 」
キュン……♡ キュン……♡
キュゥゥゥンッッ……♡
愁の言葉に、葵は今までに味わったことのない
多幸感が手足の先までみなぎって、知らぬ間に少女のようなあどけない微笑を浮かべ、
「僕だって……君を……愁くんを、ずっと、
ずっと、ずーっと大切にするからっ……一緒に、ずっと一緒に……居て、ね……? 」
「ッ……はいっ! 」
「約束だょ……♡ ン……♡ 」
愁の顎を軽く持ち上げると、愁の唇に口付けをした。なめらかで愛情いっぱいの熱い口付け、愁の舌は葵の舌に誘われて、優しい生き物のように入ってくる。
「ンム……♡ ン……チュ……♡ ッ……レッ……♡ん……♡ 」
互いに火照り、汗に濡れる身体を押しつけ合うような抱擁を繰り返し、愁の熱い先端が、葵の秘蕾に当たる。
「ハァ……ッ♡ ィ……挿入 れる……ょ♡ 」
「は……はぃ……お願い……ンッ……します……ッ」
肉厚のお尻の間で、つるりとした感触の亀頭が
愛液と涎で迷い上下に滑る、
ぬちっ……にち……ぃ……
「んッ……ァ……♡ も、ちょっと……こっち……ぃ……♡ 」
「ハァ……ッ……」
葵は指先で亀頭を秘蕾まで導いて、腰をおろし、
「ンン゛ッ……♡ ァ……」
ニュルュ……♡
「ぁ……アッ……葵さんの……なか……ッ……」
カリ首の鋭さが秘蕾の襞一本一本を押し拡げ、
雄膣の中へ、亀頭がゆっくりと飲み込まれていく。
ヌプッ……プ……プ……♡
「はぁ……ァ♡ 愁くんの……先っぽ……ぉ……隠れちゃった……あ゛ぁぁ……ッ……♡ 」
「ッ……そんな……っ……締めちゃ……ぁ……」
固い雄芯は、火傷しそうなほど温かい肉壁をその形に変えながら雄膣の奥、
ププ……♡ プ……ニュン……♡
最奥の柔らかな壁に当たり、葵は乳頭だけで達した時と同じくらい腰を震わせ、
「ハッ……あ゛ッ……ンン゛ッ……♡ あッ……ゥ……♡ 僕のぉ……お……く……届い、て……ァ……すごぉ……ぉ♡ ぐッ……♡ 」
雄膣全体でギュキュッ……♡ と、雄芯を締めつける……
「くぅッ……ぅ……や……だめ……ですッ……ナカッッ……あッ……ぐッッ……」
「へ……ッ!? 」
あまりの快感に、塞き止められ溜まりに溜まっていた精液が愁の尿道をこそぎ取るように葵の最奥に噴き出し、
ブビュルルルッ……♡ ビュル──ッ♡
ブビュ──ッッ♡
「お゛ッ……♡♡ 」
何度も、何度も脈動は続いた。
ともだちにシェアしよう!