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第七十三話 18禁

 愁くんと凛くんが絡み合って、まるで映画 みたいに綺麗で……僕は、最後まで微笑ましく 見てたんだ。 うん……これで良かったんだよ……  愁くんも、凛くんも、僕も……みんなが幸せな ハッピーエンド♪ 誰かが恋を諦めてサブキャラになるなんて、恋愛ものの映画とかゲームで僕が一番嫌いな展開だから……  そう思いながら床にちょこんと座って、眼福を 噛みしめてた。  だって―― 美少年同士の絡みなんて、この世で一番美しいんだから。「んふ……♡」なんて思わず声が漏れるくらい。 ――うん、やさしい僕は温かい濡れタオルでも持ってきてあげよう。 そう思って立ち上がった瞬間。 「へ……?」 右手と左手、両方が掴まれていた。 見れば、愁くんと凛くんが片方ずつ。 赤い瞳で、にっこり笑いながら見上げてくる。 「どこに行こうとしてるんですか、葵さん?」 「そうだよ、葵ちゃん♪」 「いや、その……タオルと、ぁ、飲み物とか……」 言い訳してる間に、ぐいっと引かれて―― 「わ、わっ!?!?」 ぽすん、と僕はお尻からふたりの間に着地。 柔らかいクッションみたいに挟まれて、どうしようもなくなる。 「タオルなら、あとで俺が用意しますよ。三人分」 「うん、ボクも手伝うから♪」 「え、えぇ……でも……っ、ひゃあッ!?」 抗議するより早く、ふたりの指がシャツの裾から侵入してきた。 冷たくて熱い指先が、胸やお腹をすいすい撫でて……。 「やっ……!ふたりがかりは、卑怯っ……」 「ふふ……♪凛がお世話になったから、お返ししたいだけですよ」 「ボクもね、葵ちゃんにいっぱい構ってもらって、あんなとこまで見られた……お礼♡」  あっという間にシャツは脱がされて、肌が さらけ出される。 僕は思わず腕で隠そうとしたけど―― 「わ……葵ちゃん、キレイ……」 「そんな、傷だらけ……なのに……」 「それでも、すっごくキレイ」 「……ふぁ……」 ちゅっ。 肩に落ちた凛くんのキスに、背筋がぞわぞわする。 「葵さん……とてもキレイ……」 耳元では愁くんの甘い囁き…… 「ふっ……ぁ……愁く……」 次の瞬間、指先が僕の乳首をきゅっと摘んで。 「やっ……っ!そ、そんなの……ッ」 「葵ちゃんのここ……ぷっくりして……とっても 美味しそ……♡」 ぷちゅ……ちゅるっ……。 反対側の乳首を凛くんが口に含んで、赤ちゃん みたいにちゅうちゅうされて―― 「あぁッ、だめッ!乳首吸っちゃだめぇ……っ」 「んじゅっ……ちゅる……♡おいひ……」 「ちょっ……ッ!?」 「凛に負けてられませんね……ふふ♪」 愁くんまで唇を寄せて―― 「やぁッ!ちょっ、ふたり同時なんて――♡」 左右からぴちゃぴちゃ舌で転がされ、乳首だけで頭が真っ白になる。 びりびりって胸から電気が走って、腰が勝手に跳ねて。 「ひゃううッ!?♡も、もう、イクっ、イッちゃ……ああぁぁぁッ♡♡」 ……乳首だけで、イッちゃった。 がくがく震えて、呼吸も荒くて、涙目になってる僕の耳元に―― 「葵ちゃん、可愛い……。まだまだ、気持ち良くしてあげるね……」 「俺も……葵さんを、もっと……」 「や、やだ……!声だけでイッちゃ……んんッ♡♡」 その囁きだけでまた、びくん、と身体が跳ねる。 言葉だけでイッちゃった…… 「ふふ……♪明日はお休みですよ。たっぷり癒させてもらいます」 「ボクと愁ちゃんで、ぜ~んぶしてあげる♡」 「ひぃんッ♡♡♡だ、だめぇ、これ以上されたら……僕、壊れちゃ……ッッ!!」 ――なのに、ふたりは止めてくれる気配なんてまったくなかった。

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