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第七十四話
昨日は結局、朝まで……やっちゃった。
愁くんも、凛くんも、体力が半端なくて……
それに付き合える僕って、もしかしてちょっと
凄い……?なんて思ったり。
「葵ちゃん……かゆいとことかない?」
「ん……気持ちいいょ〜」
朝寝坊して一眠りしたせいで、身体もすっかり
目覚めて、今は凛くんと2人でお風呂に入ってる。
愁くんはお昼ご飯の支度中。シーフードカレーだって、さっき台所を横切った時、匂いだけで
お腹が鳴りそうだった……。
浴室の低い椅子に座ってる僕の背中に、凛くんがぴったりくっついて、腕を僕の脇の下から回して、身体の前側を洗ってくれる。
愁くんと一緒に入った時も思ったけど、やっぱり誰かに洗ってもらうって……すっごく気持ちいいなぁ……。
「それにしても葵ちゃん……凄い良い身体してるんだね♪」
泡にまみれた手が、胸の上を滑る。
「ふふ……そんなことないよ。二の腕ぷにぷに
だし、男のわりにお尻大きいし……太もも、むちってるもん……」
「うん……確かにそうなんだけど……」
あ、否定してくれないんだ……凛くん……。
「でも、乳首ふっくらしてて……ピンク色だしぃ♡」
ふにょん……って凛くんの指先が……僕の胸の1番敏感なとこを、そっとこする。
「ふ……ぁ……そんなとこ……んっ」
「それにぃ、お肌も白くてぇ……♡」
泡だらけの指先が止まらない……あぁ、もう、
凛くん……いたずらっ子。
「凛くん……んっ……ちょっと……ぉ……手つき……
やらし……ぃ……」
「だってぇ……葵ちゃんの身体、さわり心地良いんだもん……♡」
ふにふに……って泡まみれの手で乳首の先をこすられながら
「ん♡それにぃ、このお尻……」
さらにお尻もなんて……。
「ぁ……凛く……んっ……やぁ……ぁ……」
「もっちもち♡やっぱり愁ちゃんがたっくさん揉んでた理由、わかるぅ♡」
耳元に吐息がふわっとかかって、心臓バクバク……。
「んぁ……も、揉むんじゃないのっ!もお……ぁ……ん……ぁ」
「……それに、葵ちゃん反応とっても可愛いし、最強じゃない……♡」
あぁ……お尻の谷間に凛くんの指ぃ……もう……
ダメ……。
いやッ…………!
歳上として……こんな、されっぱなしなんて……
「ッッ……はい、もうおしまいッ!」
「え〜〜……」
「ええ……じゃないのっ!次は、凛くんの番だからね!」
泡も流さないまま立ち上がって、今度は僕が
凛くんを洗ってあげる。
椅子に座らせた凛くんの前に膝をついて、手のひらにソープをたっぷり取って……身体を洗って
あげるっ!
「ぁ……っ……葵ちゃ……ごめ、ん……って……」
「ふふふ……♪気持ちいい……凛くん?♡」
うわぁ……細くてしなやかで……少年らしい……
けど、さわったら筋肉のある身体……若いぃ……
それに
「んー、人のこと言ってたけど……凛くんのも
可愛いし、きれい……♪」
胸板に手を滑らせると、柔らかさと温もりが伝わって……なんか、ドキドキが止まらない。
「ぁ……葵ちゃ……ん……ぁ……んっ……」
凛くん前屈みになってく。それでも赤い瞳が、
うっとり僕を見つめてる……
近い……薄く開いた薄い唇……息が、かかる……
「ッ……こらぁ、洗いづらいでしょ……もぉ……」
僕は、背中を洗ってあげるために凛くんの脇の下から腕を回したら
「はぅッ!?」
凛くんは脚を開いたまま椅子から滑って、僕の
膝の上にちょこんと乗った……
「はぁ……あお、ぃちゃ……」
腕もだらんってしちゃって、ちょっと仕返しの
つもりだったけど……やり過ぎちゃった……?
でも、それにしても――
軽いし……距離……近ぃ……。
「……ッ」
凛くん頬、りんごみたい、それに吐息……甘ぃ……
って、違うッ!
「り、凛くん、お尻……可愛ぃ……ょ……」
って、これも違うッ!!
なに、言ってんだ僕!?これは凛くんが落ちないようにってお尻、支えてるだけ――
……あと、手離したら当たっちゃうから……。
「ぁ……エッチ……ぃ……葵ちゃ、ん……」
「はぅッ……」
目と目は、ずっと合いっぱなし……赤い瞳が潤んでて……
「洗ってる、だけだょ……凛くんと一緒でしょ……」
コツンっておでことおでこが当たる……
心臓がドキドキして――
「ぁ、葵ちゃん……ぃ、いい……ょ……ン……」
な、何がいいのッ!?
ダメダメッ!目閉じないでッ!尖らせないでッ!
「葵ちゃん……ん……」
「凛く、ん……」
と、その瞬間――
「葵さん?凛?お風呂長くないですか?のぼせ
ちゃいますよー。」
ガチャッ……っと扉が開けられそうになった。
僕&凛くん「「!!!」」
「う、うん、ぃ、今洗い終わったから、すぐ上がるね!」
「しゅ、愁ちゃん!ボクも、ボクも、すぐ上がるからね!」
扉越しに、くすって笑う愁くんの声が聞こえて
「ほどほどにねー、ふふ……♪
お昼も出来てまーす♪」
ぱたぱたと台所へ戻る足音……。
あぁ、もう……助かったのか、わかんない……
けど、とにかく平常心は保てた……よね?
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