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第百四十話 18禁

 京之介は、射精の余韻に震えながらベッドの上で荒く息を繰り返していた。 愁はまだ涙の跡を残した顔で、その様子を見つめながらふっと笑みを浮かべる。 「……どうします……京之介さん……ちょっと休憩しますか……?」  優しくかけられた声に、京之介はゆっくりと 上体を起こした。膝を揃えてぺたりと座るその姿は、まるで女の子のようで、息を切らしながらもどこか申し訳なさそうに愁を見上げる。 「かんにん……かんにんえ、愁……う、うち……つい気持ちよぅて……無理矢理……」 震える声。愁は笑みを絶やさぬまま、首を横に振った。 「……だいじょうぶですよ。京之介さんが気持ち良くなってくれたら、嬉しいから……」 その優しい言葉に、京之介は恥じらいで頬を染めた。 「ほな……うちも……愁を気持ちよぅしてあげたい……うちだけ気持ちいいんは、いやや……愁と、一緒に……」 そう囁くと、艶やかな指先が愁のスラックス越しに熱を持った陰茎を擦る。 「ぁ……京之介さ……」 「してもろてばっかりで……慣れてへんけど…… 一生懸命するから……」 その指先が、少し震えながらもベルトの金具を 探り当てる。だが緊張でうまく外せないらしく、金具のあたりを右往左往している。 「あ……ら……えっ……いつもと逆なだけやのに……」 慌てる声が可愛くて、愁はもう少し眺めていたい気持ちになった。けれど、そのうち力任せにベルトが千切られそうで、彼はそっと両手を伸ばし、京之介の指を包み込む。 「そんな慌てないで。自分で脱げますから……ね? 」 カチャ、と音を立ててベルトを外し、金具を緩めると、京之介は真剣な眼差しで首を横に振った。 「ぁ……ここからは、うちがする……させて……」 その健気な声に、愁の胸がきゅうっと締め付けられる。心臓が高鳴り、下半身に熱が集まっていくのが分かる。 ジッパーがゆっくりと降ろされ、スラックスと 下着を同時に引き下ろすと、昂ぶり張りつめた 陰茎が反り返った。 「んぁ……♡ 愁の……改めて見ると、大きいなぁ……昔は、あないに可愛かったのに……」 懐かしそうに目を細められ、愁の頬は一気に熱を帯びる。 「……そんな、昔のこと言うの……反則です……」 「んふ♡ でも可愛いのんは、昔も今も一緒みたい……♡ 」 嬉しそうに囁きながら、京之介は愁をベッドの端に座らせ、自分は床にぺたりと座り込む。見上げてくるその姿は、反則のように愛らしく。 「こっちの方が……男の子は喜ぶんやろ……?♡ 」 そう言って、艶やかな舌が緊張したように陰茎の裏筋を辿った。 「ん……ぁ……」 湿った舌が繰り返し這うたび、「じゅるっ、ちゅぷっ……ぬちゅぅ」と蜜音が響き、愁の背筋が痺れるように震える。 最強と呼ばれた京之介が、自分にだけこんな 不器用に、ただ一心に舌を使ってくれる。 くすぐったく、同時に甘すぎる快感がこみ上げる。 「んぷ……ぁ……愁……気持ちえぇ……? 」 「ん……凄く……溶けちゃいそうです……」 愁が答えると、京之介は子どものようにぱっと 笑い、今度は丹念に亀頭の裏を舐め始めた。 「ぁ……京之介さん……んぁ……あッ……」 舌の愛撫は次第に激しくなり、蜜音はどんどん 濃密になっていく。 「は、ぁ……♡ 愁……うち……頑張るからね……」 そう告げると、京之介の唇がそっと亀頭を咥え込む。 「っ……」 刹那、硬い歯が少し当たり、愁はびくんと肩を 揺らした。慌てて唇を離した京之介が、瞳を潤ませて囁く。 「あ……か、かんにん……痛かった……? 」 愁は息を整えながら、苦笑いを浮かべる。 「ぁはは……だいじょぶ……だいじょぶです…… ゆっくり……慌てなくていいですからね……」 彼の心臓は別の意味で早鐘を打っていたが、それは京之介に伝わらない。ただ真剣に頷いた京之介は、今度はそっと唇で覆い、舌先で優しく亀頭を舐め上げる。 「ん……じゅるっ……ちゅぷ……♡ 」 水音を響かせながら、慣れない舌使いで一生懸命に奉仕する京之介。こそばゆいほどに可愛らしくて、愁は堪らず彼の髪にそっと指を絡めた。 「ん……んんッ……」 慣れない舌先で裏筋をたどり、何度も同じ場所を舐めては「じゅる……ちゅぷ……」と水音を立てる。 「あ……んっ……」 その度に愁の喉から甘い声が漏れ、京之介の赤い瞳が嬉しそうに細められた。 「んふ……愁、女の子みたいな声あげて……♡ 」 囁きながら、京之介はもう一度、舌を長く這わせる。裏筋から亀頭、カリに沿ってぐるりと舐め回し、唇で包み込むと、今度は吸い上げるように 強く啜った。 「んッ……ぁ……ッ……」 愁の腰が反射的に震え、京之介の耳に甘い声が響く。その声に気をよくしたのか、彼の口淫は次第にリズムを帯びていった。 「じゅるっ、ちゅぷ……んちゅっ……じゅるる……♡ 」 頭を上下させるたび、朱を含んだ黒髪ボブが艶やかに揺れ、愛らしい顔がいやらしい表情に染まっていく。 赤い瞳は細められ、口に咥えたままなのに、まるで微笑んでいるように見えた。 「んぁ……激し……ん……あッ……ッ」 愁はその淫靡な美しさに、胸の奥まで焼きつくような熱を覚える。京之介が、自分のためだけに、愛情と欲望を込めて口淫してくれている――そう思うだけで、身体が痺れる。 「ん……んじゅっ……じゅるぅ……♡ ふぅ……んちゅるっ……♡ 」 水音は次第に激しくなり、京之介の喉奥まで何度も深く咥え込む。ときおり「ごぼっ……じゅぷっ……!」と苦しげな音が混じり、愁は堪らず 両手で京之介の頭を支えた。 「ぁ……きょ、京之介さ……も……射精ちゃうから……お口……離して……」 掴んだ指に力を込めようとしても、彼を止めることなどできない。むしろ京之介は、愁の震えを感じ取ったのか、さらに熱を帯びて首を振り続ける。 「じゅるるるっ……ちゅぽっ……ごくっ……♡ 」 淫らな水音と愁の甘い声が重なり、部屋の空気はもう熱に濡れていた。 「あッ……ぁ……ンンッ……!!」  次の瞬間、愁の陰茎から精液が、どびゅ……と 勢いよく迸る。 京之介はそれを全て呑み込むように深く喉奥まで咥え込み、「ごくっ、ごくっ」と嚥下したが、 量が多すぎて唇から零れ出し。 「んむっ……っ♡ じゅるっ……♡ 」 こぼれた精が顎を伝い、なおも止まらない射精が京之介の頬や鼻筋を白く汚していく。 やがて射精が収まると、京之介は唇をゆっくり離し、ふぅ、と甘い吐息を零した。 白い美顔は白濁に汚れ、睫毛には涙が絡んで濡れている。 「はぁ……はぁ……んふふ……♡ 」 荒い息の合間に、京之介は照れたように微笑んだ。頬を白く汚したまま、潤んだ赤い瞳を愁に 向けて―― まるで「どうや、上手にできたやろ?」と甘えるように。 その淫らで可愛らしい姿に胸を締めつけられていた。あまりに必死で、可愛くて……なのに色っぽすぎて。 「……京之介さん……」 その名を呼び、思わず唇を重ねた。 「んは……しゅ……う……れりゅ……♡ 」 精液と唾液がとろりと混ざり合って「ちゅるっ、くちゅっ……♡ 」と甘い水音を立てる。 頬についた白濁も舌で舐めとって、全部を口移しにして味わい合う。自分のものを舐めさせているのに、それを奪われているみたいなキスに…… 愁はくらくらしていた。 「はぁ……ぁ……京之介さん……抱っこ、してもいいですか……」 「ん、は……♡ ええよ……してみ……♡ 」 京之介が膝の上に向かい合って座ると、朱を差した黒髪ボブが揺れて、赤い瞳が細められる。 挑発するみたいに微笑んで―― 「うちのお尻……触りとうなったんやろ……?」 囁かれただけで、愁の顔は熱くなる。 「……違います……ょ……ただ、抱っこしたくなっただけ……」 小さな声で吐き出すと、京之介は堪らんとばかりに抱きついてきて、ぎゅうっと身体を預けてくる。 「んふふ……♡ 素直やなぁ……可愛いわぁ……♡ 」 「……ふぁ……苦しいですよ……」 「ぁ、かんにん……つい……」 腕を緩めて見つめ返してくるその目に、愁は 「でも……イヤじゃないです」とだけ答える。 すると京之介は、蕩ける笑顔で目を閉じて唇を 待っている。その顔があまりに綺麗で、可愛くて。愁はまた唇を重ねた。  深いキスに舌を絡ませながら、愁の手は ゆっくりと背中から腰へ。さらに下へ、六尺 ふんどしの白布が食い込んだ尻へ。 指を沈めると、むにゅっ、くちゅ……といやらしい音が鳴って、掌に広がる柔らかさと張りに 愁は堪らなくなり。 「んっ……あぁ……♡ 愁……っ……」 京之介が可愛い声を漏らす。 揉みしだくほどに尻肉は押し返すように弾んで、ふんどしの布が、ぐゅっと食い込む。 愁はわざと指で白布を引っ張り、割れ目を開いたり閉じたり。布越しに陰嚢へこすりつけてやると、京之介は身をよじって喘いだ。 「……んんッ……♡ あか、ん……お尻の穴…… じんじんして……ふぁ、ぁ……♡ 」 声が震えて、腰が小刻みに揺れる。愁の指が谷間をなぞれば、ぬるんと湿った熱気が滲み、布の下にある隠された場所をいやでも想像させる。 「はぁっ……ふぁ……♡ そこ……そんなにいじらんといてぇ……♡ 」 京之介は弱々しく肩を揺らしながらも、愁の腕から逃れようとしない。むしろ腰を押しつけてきて、ふんどしがいやらしく、ぐちゅっと音を立てる。 「はぁ……むり、です……♡ 」 愁は左右の尻を掌で広げては、またぐにゅっと寄せて。指の間から布越しに突き出た尻穴を押し込むように撫でてやる。 「んぁっ……あ……♡ そないにされたら……変になるぅ……♡ 」 頬を赤くして涙ぐみながら、それでも微笑む京之介は、愁にしか見せない淫らで可愛い生き物のようだった。揉むたびに、むちゅっ、くちゅっ……と水音が濡れた空気を満たし、愁はその甘い響きに酔っていった。

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