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第百四十三話 18禁
ベッドの上、蜜と白濁に濡れたシーツがしっとりと身体に貼りつき、甘い熱気だけが漂っていた。
愁はまだ震える京之介の身体を抱き寄せ、荒い呼吸を整えながら汗の混じった額へ、そっと口づけを落とす。
「……京之介さん……だいじょうぶ……?」
声は掠れていて、けれど心底やさしく。
京之介は蕩け切った瞳で愁を見上げ、弱々しく
笑みを浮かべた。
「ん……♡ しゅうに、あんだけイかされたら……
立って……られへんわぁ……♡ 」
愁は頬を染め、京之介の額から頬、顎のライン
までを、愛しむように唇で辿っていく。
京之介が「んん……♡」と小さく喉を鳴らす
たび、その吐息が愁の首筋にかかり、ぞくりと
背筋を震わせる。
「……京之介さん……すごく、可愛かったです……」
「可愛い言うなやぁ……♡ こんな……よだれも
精もべっとべとで……おめこも蕩けてもうて……
ほんまは……恥ずかしいんやで……♡ 」
そう囁きながらも、京之介は嬉しそうに愁の胸に顔を埋め、きゅっと抱きついてくる。
愁はその背を掌でやさしく撫でさすり、指先で
汗に濡れた髪を梳いてやった。
「ぁ……愁……もっとギュてして……離さんといて……♡ 」
掠れた声に、胸の奥が熱くなる。
「……可愛いのに……そんなふうに甘えられたら……反則ですよ……」
囁きながら、愁は抱きしめる腕に力を込める。ベッドが、きしりと静かに揺れた。
京之介はその胸の中で、赤い瞳を潤ませながら見上げてくる。
「……これが、ほんまのうちやねん……愁にだけは、こうして甘えたいんや……」
その言葉が、愁の心に優しく染み込む。普段の妖艶さとは違う、素顔の京之介。
思わず、頬が熱くなって微笑みが零れた。
「ん……だったら、もっと甘えていいんですよ。俺の腕の中なら、ずっと……」
京之介はその言葉にふわりと笑い、瞳を細める。
「……んふふ……♡ ほな、遠慮せんと……甘えさせてもらうなぁ……♡」
白濁で濡れたレースのTバック越しに、まだ
余韻で小さく震えている尻に愁の優しく抱き寄せる手が触れて、京之介は「ひゃぁ……♡ 」と切なげに身をよじる。
「っ……ごめんなさい……つい……」
愁の声は熱に溶けたようで、耳元で囁かれるたび、京之介の背筋がぞくぞくと痺れる。
「……ええわぁ……♡ 愁に、いらってもらえんの……好きやし、いっちゃんしあわせ……♡ 」
そう囁く京之介の瞳は、愁だけに見せる柔らかさで満ちていた。
「……京之介さ……んッ……」
見惚れていた愁は、その頬に両手を添えられ、深く甘い口づけを落とされる。
舌先が触れ合うたび、ちゅぷっ……と湿った
音が室内に響いて、愁の指が背中から腰を撫で
下ろすと、京之介の余韻で敏感な身体が反応して、小さく「んん……♡ 」と声を漏らす。
「は、ぁ……京之介さん……もう、休まないと……」
「ん……わかってるけど……」
普段の妖艶さも、ぞっとするような強さもどこにもない。そこにあるのは、愁だけに見せる無防備で甘えた瞳――
その潤んだ赤い瞳は、愁をまっすぐに射抜いて
きて。
「……もっと、欲しなってまう……愁……」
その声は囁きにも似て、熱に揺れていた。
唇の端にはうっすら精の味を残した笑みが浮かんでいて、まるで駄々をこねる子供のような
あどけなさすら滲む。
愁はその瞳に捕まって、胸の奥が熱く疼くのを止められなかった。
「……京之介さん……そんな顔されたら……ん……」
言いかけて口ごと塞ぐように、深くキスを落とす。ちゅぷっ、ちゅるっ……と舌と舌が絡む水音が、再び部屋を満たしていく。
京之介はそのキスに応えるように腕を回し、
愁にしがみつきながら、小さな声で蕩けた囁きを重ねる。
「……愁……♡ お願ぃ……まだ、いっぱい欲しいて……♡ 」
その姿は、誰も知らない。
愁にしか見せない、最強で妖艶な京之介の、
無防備で可愛すぎる誘惑だった。
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