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第4話

離れていく彼の手を見つめる。 自分の小さな手と違って大きな優しい手。 温かい、彼らしい手。 「なに?」 「……なんでもない!まだ雨止まなさそうだし勉強の続きしようよ。テスト、やばいんじゃなかったっけ?」 「うわ!そうでした!お願いします、喜雨様!」 先程鞄にしまった教科書を慌てて出しながら再び机に向かう。 彼とのこの時間は自分にとって一番大切なものだ。 気持ちを伝えるつもりはない。 友達として彼の側にいられればそれでいい。 バラバラと窓を叩く雨の音と時間の経過を示す時計の音を聞きながら彼との時間を胸に刻む。 この雨が上がったら、彼は帰ってしまう。 また学校で会えるのはわかってるけどどうしてもその時間が寂しくて仕方ない。 その寂しさを紛らわせるように窓に目を向ける。 まだ、止まないで欲しい。

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