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第4話
テストが終わると、うちの学校は体育祭に向けて動き出す事になっていた。
生徒会もその運営に関わっていて、俺は競技の練習に参加しながらその準備に追われていた。
「みっちー、ラスト頼む!!」
「お、おう……!!」
クラスメートから上げられたトスからスパイクを決める俺。
身長が187あるせいで、俺は去年に引き続きバレーボールの選手に選ばれていた。
俺の一族の男はみんな180越えてて、一昨年死んだ父のおじにあたるじいちゃんも俺と同じくらいの身長があった。
ちなみに兄ぃは183、輝政は185ある。
多分だけど、一族は昔から背が高くて、それもあって普通の人から怖がられて『鬼』だと呼ばれたんじゃないだろうか。
「うっひゃー!!無理、みっちーのスパイク、バレー部の奴みてぇ」
「そんな事ないと思うけど……」
クラスメートから褒められて嬉しいけど、これでまた目立つから本当はあまりやりたくない。
けど、俺は不器用だから自分の力を上手く調整出来なくて、いつも全力でやってしまう。
「お前さ、もう少し自分に自信持てよ。イケメンだしテストの結果もいつも3番以内で頭もいいしスポーツだってそこそこ出来るんだからさ」
「兄貴と弟がその上いっちゃってるから自分なんてって思うんじゃねーの?」
「あーそっか、あのハイスペックな兄貴と弟がいたらそうなるよなぁ……」
クラスメートたちがそう言って俺をイジりつつ、励ましてくれる。
「ま、この調子で頼むよ、みっちー」
「あ、あぁ……」
3対3で練習していた俺とクラスメートたち。
そこに、女の子たちの騒がしい声と共に兄ぃとコシンプ、そして兄ぃのクラスメートたちが入ってきた。
あ、次にコート使うの、兄ぃのクラスだったっけ。
兄ぃも背が高い方だから去年と同じくバレー出る事になったんだな。
「繋、一緒に練習しないか?」
「えぇっ!?」
「い、いいですよ。本番、当たるかもしれないですし」
爽やかな笑顔の兄ぃに言われて困った俺がキャプテンを務めているクラスメートの顔を見ると、そいつはコシンプをチラチラ見ながら承諾する。
「い、いいのか?」
「おう!も、森永先輩もいるしな!な?みんな!」
そいつの言葉に、全員が承認の声を上げた。
「…………」
コシンプの美貌にみんな骨抜き状態だ。
俺がそっちを見ると、コシンプはにこりと笑って手を振ってくる。
左目の下のホクロがアクセントで、キツネ目の美人顔のコシンプ。
黒い長い髪をひとつに束ね、ジャージ姿なのに色気が物凄い。
俺は見慣れてるけど、出るところ出て引っ込んでるところ引っ込んでる身体は年頃のクラスメートたちからしたらたまらないみたいで。
「おい、手振ってくれたぞ」
「腰あんな細いのにあの胸のデカさヤバいよな」
「胸のとこだけジャージピチピチとかエロすぎ」
みんなすっかり誘惑されてて、バレーどころじゃなくなっていた。
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