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第5話

結局、俺のクラスはコシンプに見蕩れるわ兄ぃのせいで女の子たちの声援が物凄いわで兄ぃのクラスにボコボコにやられて負けた。 「兄ぃ、俺、本番兄ぃのクラスに当たりたくない……」 「大丈夫だ、繋。当日はあやめもバレーやってていないから」 帰りのバスの中、兄ぃを真ん中に3人で並んで座って話す俺たち。 兄ぃはコシンプと腕を組みながら、笑顔で話していた。 誰に聞かれているか分からないから、兄ぃも俺も家の中以外ではコシンプの事は人間の名前で呼んでいた。 「そういう問題じゃないよ。あやめさんがいなくても兄ぃのファンたちは絶対いるじゃないか」 「ふふっ、繋さま、騒々しい中で集中するの、昔から苦手ですものね」 「でも、繋が集中したらものすごいパワーを発揮できるからな。っていうか繋、そろそろ結婚相手と顔合わせしないか?」 「な、何でこんなところでそんな話するんだよ、兄ぃ」 「もう誰も乗っていないし、誰も乗って来ないからいいかなと思って」 俺のもうひとつの悩み。 それは結婚の話だ。 うちはその力を保つ為、妖怪か結婚相手として決められた家の子と結婚しなければいけなくて、跡継ぎじゃなくても18までには結婚しなければいけなかった。 兄ぃみたいに自分から好きになった人と結婚したいのに、中学の時にはもう結婚相手が決まっていた。 その相手に早く会って好きになればいいと兄ぃに何度も言われているんだけど、俺はなかなかそんな気持ちになれなかった。 「輝政だってもう済ませたんだぞ?近いうちに結婚するとこまで話進んでるみたいだし、お前も年内には会わないと会わないうちに結婚する事になるじゃないか。少しでも早い方がいいって」 「う……ん……」 「俺とあやめが付き添うからさ。それに向こうだって誰か付き添いいるだろうから、初めからふたりきりにはならないって」 「えぇ。繋さま、私たちがおりますからどうぞご安心ください」 ふたりは笑顔で言ってくれたけど、俺はものすごい圧を感じた。 それで俺はあまり気乗りしなかったけど、夏休みに結婚相手に会う事にしてしまった。

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