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第17話

それから夕飯が運ばれてくるまで、俺は松若くんとお互いの話をした。 松若くんの家はお母さんが当主の妹でお父さんが婿養子だけど、8人きょうだいの1番下だったからまさか自分のひとり息子…松若くんが次期頭領の妻になるなんてと大騒ぎだったらしい。 「母さんから、結婚するまでは好きな事していいって言われて、学校の友達がやってたのもあって、小学校からずっとバスケやってきたんです」 「そうなんだ……」 バスケの話をしている時の松若くんは、少し明るい顔をしているように見えた。 「それで……土日は試合や大会があるから、週末だったらあんまり一緒にいられないと思うんすけど、それでもいいすか?」 「うん、いいよ。じゃあ俺、応援に行く。それでどこかで待ち合わせしてここに一緒に帰って来て、月曜日は家から学校に行くように……とか、そういう感じにしてもいいかな?」 「応援……すか。いいっすけど、先輩デカいし、女の子ばっかいるからスゲー目立つと思います……」 「そ、そうなんだ……」 女の子ばっかり。 それはちょっと……だけど、言った手前、今更やめますなんて言えない。 「か、母さんと父さんがいつも来てるから、先輩は母さんたちといれば目立たないかもしれないっす……」 俺が返答に困っていると、松若くんが助け舟を出してくれる。 「じゃあ、そうするよ。教えてくれてありがとう」 ぎこちなかったと思うけど、俺は松若くんに笑顔を返した。 「せ……先輩は、土日は何してるんすか?」 「うーん…勉強か家の手伝いかな。チロっていう妖怪と一緒に山に入ったり、キャンプ場やゴルフ場のゴミ拾いしたり。天気が良かったらトゥンナイっていう妖怪の背中に乗せてもらってあちこち散歩してもらったりする時もあるよ」 「妖怪……先輩の家の人は、妖怪が見えるんすよね。うちは見える人とそうじゃない人がいて、オレは……見えないです」 「そ、そっか」 気のせいかな。 松若くん、申し訳なさそうにしてるように見える。 「母さんが、結婚したらいつか必ず見える時が来るから大丈夫って言ってましたけど、先輩はオレが妖怪見えなくても平気すか?」 「……大丈夫だよ、妖怪の事、嫌いだって思わない限り……」 そんな姿がいじらしくて、思わず頭を撫でてしまった。 「……あ、ご、ごめん……!!」 慌てて手を離す。 「先輩、いちいち謝らなくてもいいっすよ。アンタ……オレの旦那なんだし……」 そしたら松若くんが頬を赤くしながらこんな事を言ってくれた。

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