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第22話

ランニングから戻ると、母が朝食を用意してくれていた。 両親とチロと松若くんとで食べると、俺は切り出した。 「これからの事なんだけど……」 俺は昨日、松若くんと話して決めた事を父に伝えた。 「だから今日、松若くんを家まで送って、ご家族にもそう伝えたいんだ」 「……わがまま言ってすみません……」 「いいんだよ、ふたりで決めた事なんだから」 謝る彼に、俺は笑顔で言った。 「やだ、繋、今のすごくカッコイイ……!!旦那さんっぽくてステキよ」 母さんが言った。 「久、繋の言う通りにしてあげましょうよ。この子がこんな風に言える子になるなんて、すごい成長だと思うの」 「……分かった。繋、お前の妻の事だ。どうしていくか、お前に任せる。だが困った時はいつでも相談して欲しい」 「あ、ありがとうございます!!」 父の言葉に、俺は頭を下げる。 「但し、お前たちの家が完成したらそこで暮らしてもらう。それまでに夫婦としての絆をしっかり深めておくんだな」 「は、はい」 「分かりました……」 俺の後に松若くんが続いてくれる。 すごく、嬉しかった。 食後、俺は松若くんとお風呂に入ってから松若くんの家に向かう事にした。 チロも行きたいと騒いだけど、なんとか振り切って父が呼んでくれたタクシーに乗った。 「……色々ありがとうございます」 「ううん、全然だよ」 タクシーの中だったからか、俺の服を着た松若くんはそれ以上口を開く事はなかった。 けど、俺の隣に、肩が触れるくらい近くに座ってくれた。

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