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第37話
試合中、大活躍していた松若くん。
俺はなんだか胸が苦しくなって、松若くんと顔を合わせるのが怖くなった。
かと言って勝手に帰る事も出来ず、昨日と同じように松若くんの家でその帰りを待っていた。
「先輩、何かあったんすか」
松若くんのお母さんに少し遅い昼食をご馳走になってからバスで一緒に家に向かい、その道中、客は途中で俺たちだけになった。
「ん……ちょっとね」
「ちょっとって何すか、はっきり言って下さい。……オレら夫婦なんだから隠し事はよくねーっす」
あぁ、何でこんな可愛い事を言ってくれるんだろう。
俺にはもったいない奥さんだよな。
「そうだね、じゃあ話すよ。俺さ、バスケ頑張ってる松若くん見て、俺って全然釣り合ってないなぁって思っちゃったんだ」
「はぁ?んなくだらねー事考えたんすか」
「くだらない……」
ズバッと言われたショックで、思わずその言葉を繰り返してしまう。
「それ言うなら釣り合わないのはオレの方じゃねーすか。次期頭領の嫁なのに未だに先輩のお母さんも、妖怪の時のチロ先輩も見えてねーし」
「松若くん……」
「オレは、確かにバスケは好きだけど、今は先輩の方がずっと大事っす。だからくだらねーって言ったんすよ」
そう言って、松若くんは俺に堂々とキスしてくる。
「昨日……試合終わったら先輩といっぱいHな事したいってオレが言ったの、先輩忘れてねーっすよね?」
俺に抱きつきながら、耳元でそっと聞いてくる松若くん。
「う、うん」
「……オレ、もう先輩じゃなきゃ気持ち良くなれないんで……」
最後にぼそっとそう言われて、俺の中の理性のタガが外れた。
「んん……ッ……!!」
松若くんの身体を抱き締め返して、その甘い匂いを嗅ぎながら俺を誘う言葉を発した唇を塞いだ。
「んは……あぁ……ッ……!!」
きっと、この何度も啄んで、舌を絡めあう度に鳴る音や俺たちの吐息が運転手さんにまで聞こえているのかもしれない。
けど、俺はそれどころじゃなかった。
「せ…せんぱい……っ……!!」
松若くんの足元に降りると、履いていたハーフパンツも下着も下ろす。
「……いっぱいしたいって言うなら、まずここでしてあげるよ。大声、出しちゃダメだからね?」
「あぁっ、あぅ……ッ……!!」
そのピンク色の亀頭を露出させると、なるべく音を立てないように口に含む。
松若くんは顔を真っ赤にして、目を潤ませながら口を手で塞いでいた。
あぁ、めちゃくちゃ可愛い。
こんな顔、俺にしか見せてくれないのに、俺だけが許されてるのに、俺はそれだけじゃ満足出来なくなってしまったんだと思う。
釣り合わないって思ったの、あのカッコイイ姿も全部俺のものにしたくなったからなんだろうな。
それくらい、俺は松若くんが好きなんだ。
「ふ……うぅ……ッ……!!!」
運転手さんに気づかれているかもしれないのに、俺は松若くんをイかせていた。
「……続きはまた後でね……」
「は……ッ、はい……っ……!」
蕩けた顔で俺を見る松若くんに、俺は堪らずそのおでこにキスしていた。
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