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第49話

雅美くんが妖怪が見えるようになったという事で母に挨拶したいと言い、その日の夜は実家で食事をする事になった。 「嬉しいわ、こうして繋のお嫁さんと一緒に料理が出来るなんて」 「オレもです、お母さん」 挨拶を済ませると、母が雅美くんを誘って一緒に料理を作りはじめる。 「雪女、ボクは台所入れさせなかったのにね〜」 「当然でしょ。台所で私の隣に立っていいのはお嫁さんだけなんだから」 どこかに行ってたチロも後からやって来て、俺の向かい側に座って母と話をしていた。 「雅美くん、良かったね、ボクらが見えるようになって」 「はい、ようやく先輩の妻らしくなれたと思います」 「ふふふっ、やっぱり『アイノチカラ』ってすごいなぁ〜。あ、繋、ボクからのプレゼント、使ってくれたよね?」 「こ、こら、チロ、ここでそんな事聞くなよ」 両親を前に言われて、俺は慌てる。 「……やっぱチロ先輩だったんすね。変なモン入ってましたよね、あれ」 「ま、雅美くん!?」 「え〜、何で分かったの〜?」 「それは……オレが使ってたのと全然違ってたから……」 「ちょっ、ちょっとふたりとも!!」 チロも雅美くんも平気でそういう……性的な話を続けてて、俺だけがアワアワしていた。 「繋、可愛いわねぇ、私たちにふたりの間の事を知られるのが恥ずかしいって思うなんて」 「あ、当たり前だよ、親に自分たちのプライベートな話を知られるなんて恥ずかしいに決まってるってば」 「うふっ、私は楽しいわよ。繋は知らなかったと思うけど、魁人やコシンプともたまにそういう話をしたの。そういう話を聞くと、燃えてくるのよね〜」 「あははっ、雪女なのに燃えるって面白いね〜!!」 顔色ひとつ変えずに座って新聞を読んでいる父をよそに盛り上がる母とチロ。 雅美くんは最初こそ話に少し入っていたけど、その後は淡々と料理をしていた。 そうして出来た料理は美味しくて、今までは雅美くんが母の姿が見えなかった事もあって少しだけぎこちなかった団欒も、今日はすごく和やかな雰囲気に包まれていた。

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