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第51話
「けーい!雅美くんのところに行こうよ〜!!ボク、チョコレートパフェっていうの、食べてみたい!!」
当日。
来客の対応に追われたりしていたけど、当番制だったので空き時間が出来た俺はチロに声をかけられていた。
「うーん……」
俺は迷っていた。
というのも、雅美くんに女装している姿を見せたくないから絶対来るなと言われていたからだ。
でも、雅美くんが女装している姿、ちょっとでいいから見てみたい。
「だーいじょーぶだって!!ボクの付き添いって事にして……あっ、せんせー!!」
決めかねていると、チロが小早川総(こばやかわあつむ)先生の姿を見つけて走っていく。
先生は産休に入った女の先生の代わりに最近赴任してきた若い男の先生だ。
俺は教えてもらっていないけど、チロは
英語を教えてもらっているとかでよく一緒にいるのを見かけていた。
「ハ、Hi、チヒロ。What's up?」
俺より少し低い背丈に色白で細身の身体に肩くらいまでのパーマのかかった茶色い髪。
日本人離れした顔立ちは穏やかな笑みを浮かべ、優しい声でチロに応えていた。
……けど、俺はこの先生が何か……人間らしくない雰囲気があるような気がしてならなかったんだ。
「先生、一緒にバスケ部のお店行こうよ〜!!」
チロは俺から離れると先生の腕に自分のを絡めた。
「OK、ワカリマシタ」
片言に近い日本語。
名前からして日本人だと思うけど、外国で生まれ育った人なんだろうか。
それにチロがこんなに懐いているなんて、絶対何かある。
「繋、ボク、先生と行くから。じゃあね〜!!」
「あっ、ま、待てよ!俺も行くから!!」
そんな事をぼんやりと考えていたらチロが先生と歩いていってしまって、俺は慌ててその後を追いかけていた。
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