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第58話
「は……っ……」
急に力が抜けて、俺は輝政を掴んでいた手を離していた。
「うぅ……っ……」
崩れ落ちた輝政はそのまま床に倒れる。
瞬間、景色が見慣れた視聴覚室に戻った。
「……先輩……!!」
俺のワイシャツを着た雅美くんが駆け寄って俺に抱きついてくる。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
「悪いのは俺だから。怖い思いさせてごめんね」
震えるその背中を撫でながら、俺は雅美くんの身体を抱き締めていた。
「ちがう、違うんです、オレ、オレ……っ……」
俺の腕の中で、雅美くんは泣きながら輝政……というか輝政の身体を借りたあの悪い妖怪にいかがわしい事をされたと話した。
「オレ、最低です、先輩以外の人の前で、無理矢理だったけどイカされて……」
「いいよ、話さなくていい。もう大丈夫だから……」
その頭を撫でながら声を掛ける。
あいつ、やっぱり焼き尽くしてしまって正解だったな。
「……もぉ……死にたい……」
「!!!」
「こんな……他の人に触られてイクようなオレなんか……」
雅美くんの口から飛び出した言葉に、俺は思わずその頬を叩いてしまっていた。
「……!!」
驚いた顔で俺を見る雅美くん。
「俺をひとりぼっちにして死ぬの?そんなの、絶対許さないよ」
「せんぱ……っ……」
もう、悲しくて苦しんでいる顔を見ていたくなかった。
同じ苦しんでいる顔なら、快感でどうしようもなくて苦しんでいる顔を見せて欲しかった。
「ん……っ、んんん……ッ!!!」
その身体を教室の長机に倒し、キスをしながら雅美くんが閉めていた俺のワイシャツのボタンを全部外す。
「あぁッ、繋せんぱい……っ……」
唇を下へ下へと滑らせて、傷口の全ての傍に俺の跡を残した。
「他の人に触られてもイッちゃうの、俺のせいじゃない?」
「ひゃあぁっ!!」
そうして身体中にキスをすると、雅美くんのは既に勃起して俺に触れられるのを待っているみたいだった。
その被った皮をいつもより少し乱暴に剥くと、その先端は音が出るほど濡れていた。
雅美くんは今まで以上に大きな声を出してくれて、俺はそうやって悦んでくれてる雅美くんを見てますます興奮してしまう。
「ごめんね、雅美くんの身体、こんなにHにしちゃって」
「あっあぁっ、せんぱいっ、先輩のて、きもちいい……ッ……!!」
俺の手の動きに合わせて響く、クチュクチュという音。
「んぁっ、あぁんっ、イクっ、うぁぁあ……ッ……!!!」
イキたそうにしている雅美くんのを口に含みながら俺をいつも受け入れてくれる孔に指を伸ばすと、ソコは既に柔らかくなっていて指をすんなり受け入れてくれた。
指を2本挿れて雅美くんが好きなトコロを刺激すると、雅美くんはいやらしく腰を動かしながらすぐに俺の口の中いっぱいに射精してくれる。
「雅美くん……」
その精液を飲み干すと、俺は目を潤ませながら恍惚とした顔の雅美くんの頭を撫でた。
「……ごめんね、雅美くん……」
「せんぱ……ゔぁぁぁっ……!!!」
俺はその辺に履いていたものを脱ぎ捨てて裸になると、コンドームもせずに雅美くんの孔に自らを押し込めてしまう。
「あぁ…っ、気持ち良いよ、雅美くん。俺のをこんな…痛いくらいに締め付けてくれてすごく嬉しい…っ……!!」
「んは……っ、あぁっ、せんぱい、もっと、もっとオレのナカ突いて……んぁあっ……!!!」
「雅美くん……っ……!!」
その腰を掴んで何度も何度も奥を突くと、雅美くんは俺の動きに合わせながら、俺が大好きな、快感でいっぱいの顔をしてくれる。
「け、けいせんぱいっ、あぁっ、愛してるっ、せんぱいだけずっと……ずっと……っ……!!」
「俺もだよ……っ、君を絶対離さない、死ぬ時は一緒だよ……っ……!!」
何とか残っていた僅かの理性が働いて、俺はギリギリのところで雅美くんの孔から出て外で射精していた。
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