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第18話

 翌、水曜日……!!  俺は、やっと、やっと、マッサージに出かけられる事になった。  嬉しすぎて、出かける前からウキウキしっぱなしだった。  ――最早、店に対しての恐怖など微塵も感じない。  多分、俺が過敏になっていただけなのだろうと、今では確信している。 「いらっしゃいませ」  笑顔のローラの声を聞きながら、俺は顧客リストに名前を書いた。最近では、本当にこの店にしか、通っていない。気分はさながら、キャバに通う客かもしれない。俺の指名は、いつもローラだ。  ただ、ちょっと疑問なのは、俺が来るのが遅いせいなのか、ローラ以外のマッサージ師を見ない事である。初めは小さい店舗だからかとも思っていたのだが、時々俺以外の客がいても、俺が終わる頃には、誰もいなくなっているのに、他のマッサージ師を見ないのだ。不思議だよなぁ。そんな事を考えながら、俺はバスローブに着替えた。 「ぁ……ァ、ぁ……っぅ」  俺は、気づくと、後ろから抱き抱えるようにして、下から楔を穿たれていた。両方の乳首をユルユルと両手で弄られながら、挿入されている。背中をローラの思ったよりも厚い胸板に預け、顔を蕩けさせながら、声を漏らしていた。  今日で、三回目に見る、挿入の夢だ。回数自体はもっと多いが、日にちにしたら、三回目だ。漠然とそう思いながら、俺は内部でローラの陰茎を締め付けた。自分の意志ではない。挿入されると、勝手に俺の中が蠢くのだ。 「あ、あ、ああっ、ハ」 「奥、どうだ? 好きか?」 「うん、好き、好き」 「胸は?」 「好き、け、けど……」 「出したいか?」 「うん、ぁ、ァ」  俺は果ててはならない事――果てたくても出せない事を思い出しながら、既にガチガチの自身を意識した。熱い繋がった箇所へと響いてくる乳首の快楽。だが、それらだけでは、達する事が出来ない。 「今日は、乳首だけで、イかせてやろうな」 「あ、ああ、あっ、ン」  ローラの指の動きが激しくなる。俺の両方の乳頭を嬲るその指先からの刺激は、それでも繊細だった。 「やぁっ」  ゾクゾクと快楽が浮かんでくるが、もどかしい。ひとりでに俺の腰は揺れる。しかし、自分では上手く、感じる場所に当てられない。次第にローラの指の動きが、更に早まる。乳頭を擦られ過ぎて、既に真っ赤だ。俺は涎を翻そうになった。震える喉から、声が出ない。だが、乳首からの快楽ばかりを感じるようになりだして、すると勝手に嬌声が漏れた。 「ぁ、ぁ、ああっ、あ、あ、ああ、ア」 「乳首を弄られるだけで、雌イキしろ。『命令』だ」 「あああ――!!」  何かを囁かれた瞬間、胸への快楽が強まった。そして、首筋を噛まれた時、俺の頭の中が焼き切れた。 「うああああああああああああっ!!!!」  もうすっかり覚えさせられたドライオルガズムの感覚が、襲いかかってくる。ただ、いつもよりもその漣はゆっくりで、代わりに長かった。ピクピクと俺の陰茎が動く。だが、前からは出せない。けれど射精しているような感覚が、ずっと続いている。その間も、コリコリと乳首を弾かれ、摘まれ、嬲られる。 「次は、挿れられてるだけで、果てろ」 「あ、はっ、ンあ」 「果てるまで、繋がってような。その代わり、何度でも出して良いぞ」  耳の中をピチャピチャと舐められながら、甘く囁かれた。そのままローラは動く事無く、俺に両腕を回して抱きしめた。全身が汗ばんできて、俺はガクガクと震える。 「あ」  そして。  俺は、そのまま出した。俺の先端から白液が飛ぶ。 「う、うあ、あ、ああ」  だが、すぐに体が再び熱を持った。剛直なローラの肉茎の存在感だけで、俺の楔は首を擡げる。また反り返った俺の陰茎の先からは、たらりと蜜が漏れる。 「あ、あ、あ、また出る、イく」 「好きに出せ」 「あン――!!」  俺はまた果てた。そうしながら、今日は何度もイかせてもらえる――イかせられる日なのだと理解した。強すぎる快楽は苦痛なのだが、その苦痛すらも俺の夢の中では、全てが愛おしく変わる。 「や、やぁ、また、また出る、ァ」 「中、どろっどろだぞ?」 「あ、あ、う、ぅぁ」 「俺のを搾り取ろうとするみたいに、絡み付いてくる。お前、男なのにな」 「あ、やだ、そんな事言わないでくれ」 「いいだろ、別に。お前は俺の雌なんだから」 「――っ、うあ、あああああ!」  再度果てた。俺の双眸からは、涙が止めどなく溢れていく。快楽からだ。 「スローも良いだろ?」 「あ、あ……」 「俺は、スローセックスって、お前がいるって実感できるから大好きだ」  俺の胸を再び弄りながら、ペロペロとローラが俺の首元を舐める。その舌先の感覚に、俺の体中にジワリと快楽が染み込んでくる。けれど――これは、辛い。 「お願いだ、動いてくれ」 「堪え性が無いな」 「あ、ああっ、あ」  はっきりと俺の思考は、無茶苦茶に貫かれ、かき混ぜられたいという欲望を思い描いていた。どんどん灼熱のような快楽が、全身に溜まっていく。なのに、不思議とそれらは穏やかだ。何度でも果てられるような気さえする。 「あ、あ、っ、いや、あ、ン」 「お前は? 俺と繋がるの、好きか?」 「あ、っ、好き、大好き」 「素直になったのは、本当、良いな」 「ン、あ、ま、また……――ッッッ」  更に放った時、既に俺の液は、透明に変わっていた。 「――良いだろう、動いてやる」 「うあ、あああ、あ、ああ、あ、あ、あ、あああっ」  その時、ガンガンと下から突き上げられて、俺は悶えた。気持ちの良い場所を、ダイレクトに刺激される。そのまま前立腺を突き上げられて放ったのを最後に、俺は記憶を飛ばした。

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