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第14話
数日後、講義がない日に俺は零を大学へ連れて来た。
「あ!檸檬、なんでいんの?」
「檸檬だ〜!今日休みじゃなかったっけ〜?」
「「もしかして、その子!!」」
最初は休みの日に俺が大学へ来た物珍しさに友人が寄ってきたが、零が目に入った瞬間みんな目の色を変えた。
零は容姿がとんでもなく綺麗だ。
体つきや声だけじゃなく、顔のパーツ、瞳や髪の色まで全てにおいて、人を惹きつける。
グレー味の帯びた、日本人とは異なる抜けた髪色。
瞳も透き通ったブルーだ。
あまり家庭のことを話さない零に、無理矢理出生のことを聞き出すほど野暮でない。
「檸檬の言ってた通り、綺麗な子だね。」
「本当、お人形さんみたい!」
「素敵な瞳の色だねぇ〜。」
俺が事前に、あまり深掘りして欲しくないと伝えていたから、友人たちも容姿について詳しく追求したりはしなかった。
零は少し怯えながらも、必死に話そうと頑張っている。
「零、こいつらみんな優しい奴等だから。自己紹介してみ。」
「………月城……零…です……。」
俺に促され、零は小さな声で自己紹介した。
みんなそれを見て、ぐっと唇を噛む。
「「かーわーいーいー!!!」」
「ねぇ、檸檬!私、零くんともっと話したい!」
「俺も俺も!すぐ帰るっつってたけど、もうちょい話させてくれねぇ?」
予想通りの大人気だ。
零に疲れてないか聞くと、「大丈夫。」と平気そうな顔をしていたので、俺は食堂を指さした。
「寒いから、あっちで話そうぜ。」
「やったー!!」
大学の友人たちは喜びながら席を確保しに、一足先に食堂へ向かった。
俺も零に大学を案内しながら、食堂へ向かう。
「檸檬は、キラキラしてるね…。」
「キラキラ?」
「うん。……すごく、キラキラしてる。」
零の独特な表現だ。
おそらく褒めてくれているのだと思う。
「零の瞳 もキラキラしてんぞ。」
「……っ?!」
太陽の光で綺麗に輝く零の瞳。
まるで透き通った氷のような綺麗な瞳。
「お前は水色が似合うな。」
「檸檬は……、黄色が似合う。」
「ぶはっ!そりゃ、レモンだからな。」
思わず笑うと、零は「そんな理由じゃない。」とぷくーっとむくれた。
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