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第42話◇

 良かった。  ちゃんと、反応してる。  気持ち悪いとか、そんなんも無さそうだな。 「……みか、み……」  先輩が声を潜めて、オレの名を呼ぶ。  どうしていいのか分からなそうな、戸惑いまくりの表情が愛しいとか。     「陽斗さん」  ちゅ、と首筋を刺激すると、手で触れてるそれが、反応する。  ……反応が、可愛い。  下着の中、直で触れると、めちゃくちゃ熱くなってる。  良かった。ちゃんと、気持ちよくなってて。 「……や……っ……さ、わりかた、えろ、い……って……」 「……んー。……それって、気持ちいいって事ですか?」 「……っ」  言いながら、刺激すると、声を出さず、びく、と上向いた唇。それをキスで塞ぐ。 「っん、ぅ……ぁ……っ」  ……どうしよ。可愛すぎて。加減が――――……。 「み、かみ、き、つ――――……」 「イきたかったら、イっていいですよ」 「……っ三上、はなし、て」 「今離せとか、マジで無い」 「……っみ、か……」  限界だと思うけど。……なんか、フルフル震えて我慢しまくってるの、余計エロイんだけど……。なんだかな。  ――――……何、こんなに我慢してんだろ。  ……そういやさっき、後輩にそんなもん触らすなんて、とか言ってたな。  「後輩の手」で、イけない? 「……陽斗さん、オレの名前分かります?」 「……あ、おい、だろ?……」 「――――……今だけそっちで呼んでくれません?」 「――――……」 「仕事の時の三上、じゃなくて……」 「……っあお、い?……」  ぎゅ、首に腕が回ってきた。 「――――……なんかほんとに……志樹にやられそう」  熱い息の中で、そんな事を言う。 「……兄貴の事、こんな時に、言わないでもらえませんか」 「ごめん……なんか……志樹がいつも、蒼生って、呼ぶから、おもいだしちゃった……」  くす、と笑う先輩。  そっちはそっちで、「志樹の弟」を思い出すのか。と、かなり複雑すぎて、オレが黙っていると。 「もう、いわない……」  そう言った先輩の唇を、キスで塞ぐ。 「……ん、ふ、ぁ……あ……!」  舌を絡め取ったまま、手の中の熱いものを刺激する。    ……もう、すぐいきそう。  あんまりしないんだろうな……欲が無いって、言う位だもんな。  もう、出そう――――……。 「……一回出して、陽斗さん」 「っ……っ……」  どうしても、我慢しようとしてる先輩。 「いいよ、手に、出して」  囁いて、首筋から耳まで、舌を這わせる。  ビクビク震えてるのが可愛くて。――――……耳の中に舌を入れた、瞬間。 「……っあ……!」  びく、と、全身震えて、強張る。  絞るように扱きあげて――――……震えてる先輩に、キスを重ねた。

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