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第43話◇

「……陽斗さん」 「……っ?」  手に出されたそれを、絡めるようにして、再び、扱く。 「や……? ……待っ……」 「――――……次、オレと一緒に、いこ? いいですか?」  そう言うと、赤い顔のまま、オレと目を合わせて。  ――――……ん、と頷いた。 「……」  抵抗はない。  ――――……可愛すぎ。    唇噛んで、堪えてる。   「陽斗さん――――……」  その唇をキスで解いて。 「……名前、呼んでください」 「――――……っ……あおい……」  ……うわ。  自分で言わせてんのに。一気に腰にきた。 「……っ――――……陽斗さん、ごめん」 「……っ?」 「ちょっと我慢して」 「――――……っ?」  先輩のとオレを合わせて、一緒に擦りあげる。 「……っひ……ゃ……っちょっ……三上待っ……っ」  真っ赤になって、オレを見上げて。  ――――……それから、ぎゅ、と目をつむって耐えてる。 「陽斗さん、名前」 「……っ……あ、おい――――……あ……!」  マジで。  なんで、男なのに、こんな、可愛いかな。……エロいかな。  熱い。  めちゃくちゃ。  おかしくなる、くらい。    綺麗な先輩にこんな事してしまってる少しの背徳感と、  それを上回る、快感と。  こんな先輩知ってるの、オレだけだろうなっていう、優越感みたいなのと、誰かと試すとか絶対させたくないっていう独占欲と……。  なんか色んな感情が胸を渦巻く。 「…………っん、あ……っ」 「――――……っ」  先輩が達しそうな瞬間、深く唇を塞いで。  くぐもった悲鳴にやたら興奮して、オレもイった。 「――――……ふ……」  腕の中でぶる、と震えて。  先輩が、かくん、と落ちて。  キスに何も返してこなくなって、抱き締めてる体から、力が抜けた。 「陽斗さん……?」  すう、と眠り始めた、みたい。  ――――……かわいーな……。  しばらくそのまま抱き締めて。  今してしまった行為について、少し、考える。  ――――……まあ若干、やってしまった感、はある。  うん。若干、というか、かなりある。まあ。普通に考えたら、職場のマンツーマン指導の先輩に、キスして、触れて。とか。しかも女ならまだしも、男……。しかも、お互いゲイならまだ分かるけど、お互い、少なくとも今迄は違う……。  やってしまった感が無かったらおかしい。  ……でも。  後悔は、無い。  朝起きた時の先輩が、どんな顔するかが、楽しみなような。少し怖い、ような。  でも。  ――――……可愛かった、先輩。  ぜんぜんやる気でないって言ってたのに、かなり、気持ちよさそうで。  ……戸惑ってる感じが、めちゃくちゃ可愛かった。      とりあえず、ティッシュで拭いてから、お湯でぬらしてきたタオルで、先輩を綺麗に後始末。抱き寄せて、布団をめくって、その中に寝かせてやるけれど、全然、ピクリとも、起きなかった。  とりあえず一緒に寝るのはどうなんだろうと思ったので隣の布団に入って、先輩の方を向いて、横になる。  朝の先輩を楽しみにしながら。  オレは、眠る事にした。 

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