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第87話◇恥ずかしすぎて?※

 肌に触れて、そのまま、服をめくりあげて脱がせた。  頭を通してすぐまた、唇を塞ぐ。 「ん……」  素直にキスを受けてる先輩。腰から背中に手を回して、抱き寄せる。    背筋をつ、となぞると。  先輩がぴくん、と小さく震える。  ……どこ触っても、弱いよな。 「……っくすぐ、たい」  嫌がって、背を少し捩って、オレの手から離れようとしてる。  ……可愛い。  ウエストに触れて、押さえる。  ――――…… 細いなあ。腰。  そのまま、ズボンに手をかけた時。  ぐ、と手を掴まれた。 「っ自分で脱ぐ」 「――――……いいじゃん。脱がさせて」 「っ恥ずかしすぎて、死ぬからな」 「…………陽斗さん」 「……っ」  一瞬でカッと赤くなって、視線がムッとしてる。  苦笑いが浮かんでしまう。 「……オレ今からずっと陽斗さんて呼ぶけど。先輩て呼ぶと、あれでしょ。後輩に何させてンだとかまた言うンでしょ?」 「…………っ」 「先輩も、蒼生って呼んで」 「――――……っ」  プルプル首を振られる。 「……まあいいけど」  ……途中で呼ばせるから。まあ今はいいけど。  先輩の白い首筋に、ちゅ、と唇を這わせてみる。  びく!と大きく震える。  はは。――――……ほんと弱い。かわいー。 「ちょ、や――――……ん、う」  唇を塞ぎながら、再びズボンのウエストに触れて、する、と手を差し入れた。  なんか。先輩の肌って、スベスベしてる……。  言ったらまた怒られるかな、という事を思ってると。  また先輩が藻掻く。 「……っや、だ、自分で――――……」  キスは外されるし、もぞもぞ動かれるし。 「――――……あのさ、陽斗さん……」 「っっ恥ずかしいってば! オレが恥ずかしくて死んでもいいのかよっ」  何だそれ。  子供みたいな反撃に、力が奪われる。 「……あのさ、今から何しようとしてるか分かってる? 脱がせるくらいで死んでたら、この先、どーなんの……」 「……っっ」 「ていうか、昨日色々したのに……」  何で脱がせる位でこんなに真っ赤に……。そう思っていたら。 「昨日、暗かったし――――……結構酔ってた、し……」  あぁ。……今シラフか。  ……明るいし。  なるほど。  …………てか。  初体験の女の子、みたい。  とにかく、顔赤いし。  笑ったら絶対怒らせてしまいそうなので笑うのは耐えて、先輩から手を離した。 「……分かりました。じゃ、自分で脱いでくれますか? オレも脱いじゃうから」  そう言って、先輩から少し離れて、上を脱ごうと自分の服をめくろうとした時だった。先輩に、腕を掴まれて止められた。 「え? ……何ですか?」  めくりかけた形で止まったまま、先輩を見つめると。 「じゃあ、オレが脱がす」 「……は?」 「三上は恥ずかしくないんだろ。じゃあいいじゃんか。脱がさせて」 「ん? ……脱がせてくれるんですか?」 「……っうん」  ……なんかよく分かんないけど、ちょっとムッとしてる。  ――――……眉がきゅ、と寄ってるし。   「じゃあ……どーぞ」  とりあえず、自分の服にかけていた手を外し、手を下ろして、先輩をまっすぐ見つめた。  はーなんか。面白ぇな……。  ……何でこんな、必死な顔してんだろ。ほんと可愛いし。  どう脱がせてくれるのかなと、かなり楽しい。

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