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第93話◇陽斗side3
なんか。
――――……やばそう。
昨日もだったけど。三上って、やり方、うまくて。
――――……する事全部、気持ち良くて。
「……それ、使ったら――――……」
「ん?」
「……おかしくなりそうだから……やだ…」
「――――……嫌ならやんないですけど……」
ちょっと残念そうな三上に、オレは首を振りながら、嫌だ、と言った。
すると三上は、分かりましたと言って、それを横に置いた。
「最後だけにしますね。ちょっと残念だけど」
残念そうに、そんな風に言われて。
言い訳を言いたくなってしまって。
「…………だって……ただでさえ、気持ちいい、のに――――…… そんなの、したら……困るし」
そう言ったら。
オレを見てた三上が、ぴたっと完全に、固まった。
「――――……………………」
「…………? みかみ……?」
しばらく無言の三上。
ひたすら待ってると。
「……オレ何回も言ってるんですけど……」
はあ、とため息を付かれてしまう。
「……もうちょっと考えてくれます?」
顎を捕られて、視線をまっすぐ合わされる。
「恥ずかしがるならそっちで行ってくれれば我慢するのに……何で急に、煽るのかな……」
「――――……」
オレ、何か、言ったっけ、今……。
何言ったっけ……??
「今、何言ったか、自分で分かってないんでしょ……」
……何で分かるんだ。
「ほんとに、もー…………」
頬にちゅ、とキスして、三上はオレを見つめた。
「ただでさえ気持ちいいのにそんなのしたら困る、とか言いましたよね」
「――――……」
……言った。
「ただでさえ気持ちいい、とか――――……ほんと言わない方がいいよ」
じっと見つめられる。
「……ごめん――――……聞くのやめる」
「……え?」
「死ぬほど気持ちよくしたいから。聞いてたら半端になりそう」
「え。……え」
言われた言葉を理解するよりも早く、枕に背を沈められて。
三上の唇に、深くキスされた。
舌がいきなり深く絡んで、容赦がない、キス。
ドクドクいってる胸がさらに弾む。
少し離されて、熱っぽい瞳で見つめられて。
「……こっからもう、任せて」
三上はそう言うと同時に、キスしてきて。今度は、離れない。
「……っ――――……」
任せて……。
――――……任せて、だって。
はー。なんか。
――――……胸が、痛い。
手を伸ばして、三上の肩に、触れて。
そこから、その首に腕を回して、ぐ、と更に引き寄せた。
……任せる、って、意味込めたんだけど。
――――……分かった、かな……。
すぐ、より深くキスされて、クラクラしてくる。
「っ……ん、……」
「――――……陽斗さん……」
ぼやけた頭のどこか遠くで、ぱち、と音がして。
「……? ……ん……」
不思議に思ったけれど、キスに翻弄されまくって、ただ三上に抱き付いてると。 するりと、浴衣の腰ひもが解かれて。開かれた。
うう。すっごい、恥ずかし――――……。
思った瞬間。
ぬる、とした感触が胸に走って、乳首に強い刺激。
「……ひぁ……っ……やっ――――……」
悲鳴みたいな声が出てしまった唇を、また塞がれる。
声が奪われたまま、しつこく、胸触られる。
「……んん、ぁ…………っ……ふっ ……」
舌が絡んで、声は、まともに出せない。
「…………ンっ……」
体が勝手に、びくびく、震える。
キスしたまま、声が、漏れる。
する、と首から落とした手で、三上の二の腕を、掴むけど。
――――……なんだか、力、入らない。
キスされたまま、胸を刺激され続けて。
何でそんなとこで、こんなに頭の中、白くなっちゃうんだろ……。
(2021/11/3)
次から蒼生に戻ります(*´ω`)
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