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第177話◇朝から

「……ん……」  スマホのアラームが鳴った時。  腕の中で先輩がモゾモゾ動いた。  オレがアラームを止めると、止まった事を不思議に思ったみたいで、先輩は、え、と顔を上げた。 「あ。三上……」  先輩は、オレの腕の中に居ると気づいて。  きゅ、と唇を噛んだ。  恥ずかしそう。  ……かわいー。 「陽斗さん、おはようございます」 「うん……おはよ……」  ぎゅ、と一度抱き締め直してから、ちゅ、と頬にキスした。 「――――……」  先輩はマジマジとオレを見つめて。今キスされた自分の頬に手を持ってきて。 「ていうか、三上って、タラシすぎじゃないですか?」 「何で敬語……」  可笑しくて笑うと、先輩も、ふ、と吹き出して。 「もうほんと……朝から、タラサないでよ」 「タラサないでって……だって先輩が可愛いから」 「可愛くないって。今寝ぼけてて、目覚まし勝手に止まったからびっくりしてただけじゃん……」 「だから可愛いんじゃん……」 「――――……」  こいつに何言ってもダメだな、と悟ったような、面白い顔をしてオレを見てから、先輩はムクっと起き上がった。 「起きよ?」 「はい。――――……陽斗さん」 「ん?……?」  オレは手を伸ばして先輩の髪の毛に触れる。 「……?」 「なんか、髪の毛、ポワポワしてて可愛いなあーと」 「寝起きなんだから、当たり前」  ナデナデしてると、その手を掴まれた。  そのまま引き下ろされる。 「もう、恥ずかしいって」  言う先輩が、オレの手を掴んだままなので、まるで手を繋いでいるみたい。 「ん。――――……まあこれはこれで、手ぇ繋いでるみたいで良いですけど」 「え? ……あ」  先輩は、ぎゅと掴んでた手に気付いて、ぱ、と離す。 「……三上」 「はい?」  クスクス笑っていると、じろ、と睨まれた。 「あんまりハズイと、オレ倒れるからな」 「――――……倒れちゃうの?」 「血管とか、なんか色んなのが破裂して倒れる」 「何それ、陽斗さん」  ……面白すぎる。  そのまま腕を掴んで引き寄せて、ぎゅ、と抱き締めた。 「……それ位ドキドキしちゃうってことですか?」  ワザと耳元で、囁くと。  遂に耐えられなかったのか、かああっと耳まで赤くなったかと思うと。 「……っ」  そのまま、ひしっとしがみつかれて。 「陽斗さん? 顔、見えないんですけど……」 「っわざとだよっ! もう……!」  顔を見せないようにしがみついたんだろうけど、それは恥ずかしくないのかな?  耐えきれなくて抱き締めたまま笑ってると、腕の中から不愉快そうな声。 「もう、三上、そんな笑うな。揺れててムカつく」 「――――……だって。可愛くて」  スキンシップ、慣れてないなあ……。  ――――……女の子にしてこなかったのかなぁ?  照れてやってなかった、て感じかな。  …………てか、オレもこんな甘々な事してンの、初かもしんないけど。 「……つか、朝から、恥ずかしすぎる」 「――――……慣れて下さい」  クスクス笑いながら、オレがそう言うと。 「慣れる気、しない……」  呟いてる先輩が。  マジで可愛いんだけど。……マジで、朝から、どーしたら。 (2022/3/2) 皆様♡♡ 嬉しいお知らせが! 今日ね、「愛じゃねえの?」の表紙を頂いたんです♡ まちばさん♡が描いてくださいました♡ まちばさんのイラスト、優しくて可愛くてカッコよくて大好きなんです♡ ここを更新した後、表紙、差し替えますね♡(^▽^) ブログにも、どどーんと貼ろうと思ってます。おっきく見えるので♡ ぜひぜひ、表紙とブログ、更新出来たらご覧くださいませー(≧▽≦)♡ by悠里♡  

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